2012 Fiscal Year Research-status Report
10代で出産した母親のライフプラン構築を支援する包括的プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
23792733
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大川 聡子 大阪府立大学, 看護学部, 講師 (90364033)
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Keywords | 若年妊娠 / 若年出産 / 家族計画 / ライフプラン / グループアプローチ |
Research Abstract |
本研究の目的は、10代の母親グループにおける実態調査を実施し、その結果を踏まえて望まない再妊娠を予防し、就労支援や学業継続支援、家族計画を含めた包括的な支援プログラムを開発することである。24年度は、研究者がフィールド調査を続けている10代の母親グループ2カ所において、保育所での生活と生活リズム、ライフプラン構築、家族計画の情報提供について、保健師、助産師、保育士、子どもが保育所に通所している若年母親の協力を得て実施した。 実施後の評価について、昨年度から継続して実施している内容であるため、参加者のライフプランシートへの記入はスムーズで、保育園・幼稚園入所後のことも考えることができている。しかし、車や家を購入したいという目標はあっても、そのための費用をどう捻出するかというところまで考えが行き届きにくいため、先の見通しがついている参加者には、目標を達成するための方法を随時提示していくことが必要であると考えた。避妊については、○年後に欲しいと言う希望があっても、確実な避妊をしていた人は少なく「できたらできたでいい」「できたら産む」といったように積極的に避妊はしていない。このため、子どもが欲しい時期を踏まえて家族計画ができるように関わっていくことが必要だと考える。また生理周期、最終月経、出産予定日の計算方法については理解度が人によって大きく変わっていたため、個別対応も必要であると考えた。 子どもを保育所に通園させている母親への聞き取りから、就労や学業については自身で情報を入手して希望の進路に進むことができていたが、今後の取り組みとして、就労や復学への支援についても検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールド調査、プログラムについてはおおむね予定通り実施することができている。来年度以降は、就労、教育継続をプログラムに盛り込みたいと考えているため、母子相談員や教育関係者のニーズ把握を行い、より包括的なプログラム構築につなげたい。
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Strategy for Future Research Activity |
1) プログラム実施 (1)情報提供:ライフプラン構築、家族計画、就労につながる資格や保育所などの情報提供を、保育士や助産師、母子相談員などの協力を得て経年的に実施する。(2) ライフプラン構築:グループワーク形式で、今後10年以内の家族の年齢と、次子の出産予定や就学、住居の購入、就労など予想されるライフイベントを書きこみ、今後のライフプランを検討する。検討した内容は、グループにおいて半年ごとに見直し、実態に基づいたライフプランとなるよう支援する。 2) フィールド調査の実施 ・平成24年度と同様、フィールド調査を継続して実施する。 3) 関係他職種とのネットワーキング 就労、教育継続をプログラムに盛り込むため、母子相談員や教育関係者のニーズ把握を行い、包括的なプログラム構築を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外・国内文献購入、消耗品等の物品費、若年母親グループフィールドワークの出張旅費、スタッフの人件費等に使用する。
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