2013 Fiscal Year Research-status Report
10代で出産した母親のライフプラン構築を支援する包括的プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
23792733
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大川 聡子 大阪府立大学, 看護学部, 講師 (90364033)
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Keywords | 若年妊娠・出産 / ライフプラン / グループアプローチ / 家族計画 |
Research Abstract |
本研究では、若年母親グループにおいて家族計画を含めた,ライフプランを構築する取り組みを実施する.そのことにより,若年母親の望まない再妊娠を予防し,母親達が長期的な視点でライフプランを構築するための一助とする. 2009~2013年8月時点における実施回数は8回.参加者は25名(延べ35名).ライフプラン初回参加時の母の平均年齢は20.5歳,第1子の年齢は0~4歳.1回あたりの参加者は2~7名.参加回数は1回のみの参加者が大半を占める.ライフプランの記載について、当初は10年間を想定していたが,記載が難しかったため5年間に変更した. ライフプランを記入する際に「何がどうなっているかもわからない」,「めっちゃ怖かった.現実を突きつけられるようで」と表現した人もいた.若年母親の中には生活基盤や将来設計を立てる事より現在の思いを優先するため,目標に向かってどのように行動すべきか考えることが難しいと考えられる母親もいた.複数回参加者の中で,生活基盤が固まり今後の見通しが立つ過程で,記載するライフプランに具体性がみられるようになった人もいる.ライフプランの記載は,生活基盤を見る一つの指標になると考えた. 家族計画については,○年後に出産したいと言う希望があっても, 「(子どもが)できたらできたでいい」,「計画妊娠したくない」といった希望もあり,積極的に避妊はしていない.このため,子どもが欲しい時期を踏まえて家族計画ができるよう,具体的な時期も含めて伝えていく事が必要である.月経周期,最終月経,出産予定日の計算方法については,参加者の知識に個人差が大きかった.PMS症状が重い,月経周期が不順な人もおり,グループ外での個別対応も並行して進めていく事も重要である. 若年母親の生活基盤は、夫や親との関係の変化に伴い急変することがあるため,ライフプランを参考に,継続参加を促し経過を見ていく必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールド調査、プログラム実施については予定通り行うことができている。 イギリスで同様の事業を実施している機関に対し、若年母親の現状についてインタビューを実施する予定であったが、今年度は実施することができなかったため、次年度の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
1) プログラム実施:平成24,25年度と同様に、プログラムを実施する。 2) プログラムの評価、考察:対象者に、プログラムについてインタビュー調査を行なう。スタッフからの聞き取りやフィールドノートを分析し、参加者の経年的な変化から、プログラムの内容を評価する。 3) 研究成果の公表:国内外関連学会で発表を行い、 研究成果を公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は海外において学会報告を予定し、抄録を投稿しアクセプトされていた。しかし国内学会の招待講演と日程が重なったため、学会に参加、発表することができなかった。このため、海外学会報告の際にあてていた旅費が未使用となってしまった。 今年度は当該学会にて報告したいと考えているため、そのための旅費として使用する予定である。
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