2013 Fiscal Year Annual Research Report
唐辛子添加食品による加齢性の嚥下機能低下予防法の検証
Project/Area Number |
23792740
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
秦 さと子 (小野 さと子) 大分県立看護科学大学, 看護学部, 講師 (10443897)
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Keywords | 加齢性 / 嚥下反射 / 機能低下予防 / 唐辛子添加食品 |
Research Abstract |
研究目的:加齢性の嚥下反射機能の低下予防、改善のために効果的な唐辛子添加食品の摂取方法を明らかにすることである。 対象:健康若年者10名、嚥下障害のない自力で経口食事摂取可能な高齢者16名とした。 方法:介入媒体は、カプサイシンの含有濃度を分析した結果、白菜の浅漬け(浅漬け)とした。浅漬けの摂取期間は1日3食直前、20日間とし、その後7日間は確認可能な範囲で唐辛子添加食品を摂取しない期間(未摂取期間)とした。簡易嚥下反射誘発テスト東大法(S-SPT)にて嚥下反射潜時(LTSR)を測定し、LTSRの短縮により嚥下反射機能の改善とした。測定は浅漬けの摂取開始前日に実施し、20日間摂取した翌日(開始21日目)、未摂取期間を経た翌日(開始28日目)に実施した。分析:若年者群と高齢者群それぞれの浅漬け摂取前後のLTSRの変化、および未摂取期間後のLTSRの変化を比較した。 結果・考察:若年者群と高齢者群の介入前のLTSRの平均は、S-SPTの判定基準である3秒は超えなかったものの、高齢者は若年者よりもLTSRの平均が延長しており、加齢性の機能低下が示唆された。これに対して、開始21日目の高齢者群と若年者群のLTSRの平均は、摂取前に比べて有意に短縮した(p<0.05)。開始21日目のS-SPTは、最終の浅漬け摂取が前日の夕食時になるため、唐辛子添加食品摂取直後の効果ではなく20日間の摂取による嚥下反射機能の効果を反映していると考えた。つまり、20日間の唐辛子添加食品摂取は、嚥下機能を改善させ、低下予防につながる可能性が示唆された。さらに、未摂取期間が7日続くと高齢者群ではLTSRが介入前の値に戻り、若年者群では開始21日目の状態が維持された。このことから、若年層からの取組みによってより効果は維持されやすく、介入頻度も少なくなる可能性が示唆された。
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