2011 Fiscal Year Research-status Report
インドネシア人候補者の異国就労に起因する自国価値観への影響と異文化ストレス
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23792750
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Research Institution | Senri Kinran University |
Principal Investigator |
佐藤 文子 千里金蘭大学, 看護学部, 講師 (80512417)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 経済連携協定 / インドネシア人看護師候補者 |
Research Abstract |
2008年8月、日本との経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシアから看護師・介護福祉士候補者が来日した。2009年度には、フィリピンからも看護師・介護福祉士候補者等が来日しており、日本の医療・介護の現場においても、徐々にではあるが、グローバル化が進んできている。EPAによる外国人候補者の受け入れについては、受け入れ施設側の努力によってか、これまでに表立った大きな課題等は見聞きしていないものの、依然として離職率(2009年の看護師離職率は11.9%と減少傾向にあるが、都市部では15%。介護職員離職率は20.0%3))が高い労働環境が改善されないままでは、日本人と同様、外国人候補者らも定着するとは考えにくい。しかも、自国とは価値観の異なる日本の職場で就労し、また、異文化に順応することが求められることによって、日常的に精神的ストレスを感じていることが予測される。 このような状況を背景に、本研究では、来日を要因としてインドネシア人候補者らの従来の価値観にどのような変化が起こっているか、またその変化により彼らの精神的ストレスの有無と程度について明らかにすることを目的としている。 当該年度における研究成果としては、以前採択した研究費(研究活動スタート支援「インドネシア人看護師の労働に対する文化的価値観と労働意欲を高める要因の解明」)で実施した調査結果を今回の研究の参考資料として再分析を行い、インドネシア人看護師の価値観について明らかにした。また、今回の研究で使用する調査票の作成を以前の調査票や先行研究を踏まえながら検討し、作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
以前の研究成果を踏まえた上で本研究の調査票作成を行う予定にしていたため、最初の取りかかりが遅れてしまい、その結果、研究計画の全工程が遅れてしまう結果となってしまっている。また、関連団体との事前調整も遅れてしまったことが影響している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度6,7月頃に関西圏にてインドネシア人候補者の日常生活や国家試験対策に係る支援を展開している組織の協力の下、アンケート調査を実施する予定にしている。また、当初の計画として挙げていたデータ入力や分析、報告書のまとめ等々も年度内に行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度に実施出来なかった本調査を今年度の夏に実施予定であり、それに係る費用(国内出張旅費、調査票郵送費等)として研究費を使用予定である。また、研究成果の発表に必要な学会参加費や国内外旅費等にも充てていきたいと考えている。
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Research Products
(3 results)