2013 Fiscal Year Research-status Report
未就学児を育児中の労働者のワーク・ライフ・バランスに関する研究
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23792761
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
久保 陽子 (安井 陽子) 産業医科大学, 産業保健学部, 助教 (90412668)
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Keywords | ワークライフバランス / 精神的健康 / 未就学児 / 親 / 仕事 / 家庭 / ソーシャル・キャピタル |
Research Abstract |
未就学児を育児中の世帯のワーク・ライフ・バランスを職場と家庭だけでなく、地域全体の問題として捉え、より良好な精神的健康を目指して多角的な視点から取り組むことを目的とし、平成25年度は主に以下の研究を実施した。 未就学児を育児中の親のワーク・ライフ・バランスの実態を把握するとともに、女性の就労の有無による相違を検討することを目的とし、北九州市内幼稚園(対象:590世帯1180名)で、夫婦それぞれに質問紙調査を実施した。調査対象を専業主婦、専業主婦の夫、就労主婦、就労主婦の夫と4群に分けて分析した結果、仕事と生活のバランスは、就労主婦の夫が最もバランスがとれていないと感じていた。さらに精神的健康状態は専業主婦の夫が最も良好で、就労主婦、専業主婦と続き、就労主婦の夫が最も不良だった。生活満足度は女性の就労の有無別による有意差を認めなかった。近所づきあいは女性の方が男性より多く、女性の就労の有無別に見ると専業主婦が最も近所づきあいが多かった。しかしながら、就労主婦のほうが専業主婦より自分の住む地域は子育てしやすいと評価していた。また、地域で趣味・娯楽活動をしているのは専業主婦の夫が最も多く、専業主婦が最も少なかった。これらの結果は、北九州市子ども家庭局、地域の子育て支援団体へ公表し、市民の実態と問題の共有を行った。 今後はそれぞれの働き方と仕事時間以外の時間の過ごし方を掘り下げて調査し、精神的健康を良好に保つための要因を検討する。調査結果は、北九州市の男女共同参画推進および子育て支援の政策の参考資料となることが期待される。また、個々人がストレスの少ない調和のとれた生活を送るための工夫ができるよう研究結果を広く広報し啓発事業につなげていきたい。また、企業による社員の働き方の多様性推進に向けた取り組みにも活かしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
産前・産後休暇および育児休暇により、予定していた論文作成まで至らなかった。しかし、予定を変更しながらも、昨年度同様に今年度得られた結果については、精神的健康を良好に保つための方策として、未就学児を持つ親や行政、地域の子育て支援団体等へ公表し、さらに問題意識の共有を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今まで調査した結果をより深く分析していくとともに、論文作成を行う。また仕事時間以外の時間の過ごし方や、就労形態や労働時間を含めた具体的な働き方を追加調査していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
出産・育児に伴う休暇取得により、研究が一時中断しているため、次年度使用額が生じた。 次年度は論文投稿および、追加調査を計画している。具体的な働き方と生活時間の過ごし方について追加調査を行う予定にしており、郵送費、印刷費、学会発表や論文投稿に伴う諸経費として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)