2012 Fiscal Year Annual Research Report
てんかん原性回路における内因性カンナビノイドシグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
23800001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
内ヶ島 基政 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10614662)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 内因性カンナビノイド / てんかん |
Research Abstract |
内因性カンナビノイドである2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)は、ニューロン活動依存的にポストシナプス側から合成・放出され、プレシナプス側のカンナビノイド受容体CB1を介してシナプス伝達を抑制する。その結果、この逆行性シナプス伝達抑制機構は特定の神経回路の異常な興奮を抑えるブレーカーの役割を果たしていると考えられている。てんかんは神経回路の異常興奮が原因とされる疾患の代表例であり、内因性カンナビノイドとの関連が指摘されている。そこで本研究ではてんかんの原因回路の1つとされる歯状回興奮性反回回路における2-AG伝達のための分子形態基盤の解明を目指した。歯状回興奮性反回回路は苔状細胞ー顆粒細胞シナプスと顆粒細胞ー苔状細胞シナプスから構成され、本年度は顆粒細胞ー苔状細胞シナプスに着目して解析を行った。成体マウスの顆粒細胞ー苔状細胞シナプスは顆粒細胞の巨大な神経終末が苔状細胞の大型スパインをすっぽりと覆う特徴的な構造を示し、2-AG合成酵素DGLaはその大型スパインで極めて強い発現を示した。その一方、顆粒細胞終末では2-AGの分解酵素MGLが豊富に発現するものの、2-AGの受容体であるCB1はほとんど検出されなかった。発達期においても検討を行ったが、CB1は顆粒細胞終末において一貫して検出されなかった。すなわち顆粒細胞-苔状細胞シナプスは、苔状細胞スパインから放出された2-AGがプレシナプスとなる顆粒細胞終末のみに到達し、隣接するシナプスへ拡散しにくい形態基盤を示すものの、2-AGを介した逆行性シナプス伝達抑制を引き起こさないユニークなシナプスであると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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