2011 Fiscal Year Annual Research Report
視覚情報に基づくカラー画像のアクセス制御に関する研究
Project/Area Number |
23800010
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
今泉 祥子 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 助教 (80535013)
|
Keywords | アクセス制御 / 鍵管理 / ハッシュ関数 / コンテンツ配信 / 著作権保護 |
Research Abstract |
本研究の目的は、複雑な階層構造が設定されたカラー画像に対する、著作権保護のための高効率なアクセス制御方式の実現である。アクセス制御は、各ユーザに対して、その権利に応じた品質でコンテンツを提供する手法である。再生環境の多様化に伴い、一つのコンテンツを様々な品質で再生可能とする要求に対応して、安全性および柔軟性が高いアクセス制御手法を検討した。 (1)複雑なデータ構造に対応した高効率なアクセス制御方式の構築 品質(解像度や色数など)に応じたアクセス制御を施すため、対象となる画像には階層構造が設定される。個々の画像に対する階層構造は、例えば、フレームレートを60、30、15fps、解像度をXGA、VGA、QVGAなど様々に設定可能である。本研究では、これら複数の品質を同時に、かつ、鍵管理・配送の安全性・容易性の観点から少ない暗号鍵でアクセス制御可能な技術を検討した。その結果、暗号鍵生成パターンの改良により、サービス提供者が管理する暗号鍵(以降、管理鍵と呼ぶ)の個数を1コンテンツあたり1個、ユーザに対して配送する暗号鍵(以降、配送鍵と呼ぶ)の個数を最小で1個、最大で従来法と同数とするアルゴリズムを実現した。上述の結果は、ハッシュ関数の再帰利用と排他的論理和の導入により、一つの暗号鍵から他の暗号鍵を多次元派生させることによって得られる。 (2)暗号鍵生成過程における演算量の削減 管理鍵・配送鍵の個数を抑制するため、ハッシュ関数を多次元方向に対して単純に再帰利用することは、暗号鍵生成にかかる処理動作を重くすることに繋がる。本研究では、ハッシュ演算の一部を、論理演算と巡回シフトとの組合せ演算に置換することで、鍵生成にかかる全体の演算量を削減した。ここで、巡回シフト量は、鍵情報の一部となるため、鍵生成アルゴリズムの堅牢性、漏えいに対する安全性、管理の煩雑性の観点から、この情報量を段階的に制御可能としている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
暗号鍵の個数については、鍵生成順序の改良により、当初の計画以上の成果を得ており、1コンテンツあたり1個の管理鍵、すなわち最小数とする手法を考案した。また、演算量については、ハッシュ演算の一部をより軽量な演算に置換することにより削減した。さらに、アクセス制御対象をマルチメディア全般に拡張した。
|
Strategy for Future Research Activity |
未公開の研究成果について、国際会議および海外ジャーナルへの投稿を行い、広く展開する予定である。今後は、特に限定色画像に対して、これまでの成果に基づいた効果的な適応手法を検討する.
|
Research Products
(3 results)