2012 Fiscal Year Annual Research Report
逆問題アプローチに基づく集光模様の生成に関する研究
Project/Area Number |
23800011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楽 詠コウ 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教 (30612923)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 集光模様 / 透明屈折物体 / 連続面 / ポアソン方程式 / NC機械 |
Research Abstract |
昨年度に開発した手法は、透明屈折物体の形状が不連続であるため、製作する場合に高い加工精度が必要で、また実現できる集光模様の質が限定される問題があった。そこで、今年度はこの問題を解決するため、連続面から構成される形状を求める方法について研究を行った。 問題設定は次の通りである。光源として、太陽光や離れた点光源のように、平行光源とみなせるものを仮定する。透明屈折物体の材質は、加工しやすいアクリル樹脂を用いる。光源から発せられた光は透明物体の一つの平面(入射面)に入射し、物体を透過して、反対の面(射出面)で屈折して物体の外にぬけ、スクリーンに到達する。 提案法は二つのステージから構成される。第一のステージでは、入射面に到達する光とスクリーンに到達する光との間の対応関係(写像)を求める。射出面として連続的な面を得るには、連続的な対応関係を求めることが重要である。また、目的の集光模様を実現するには、光のエネルギー配分(写像のヤコビアン)を制御する必要がある。本研究では、写像の連続性を保ったまま、光のエネルギー配分がより適切に行われるように、ポアソン方程式を解いて写像を反復的に更新する手法を開発した。 第二のステージでは、得られた写像に基づいて、まず光の屈折方向を求め、射出面の法線を推定する。次に、法線の分布をもとに、ポアソン方程式を解いて射出面の形状を求める。 NC機械を利用して実際に実物を数点製作し、目的の集光模様をスクリーン上に投影できることを確認した。昨年度に開発した方法に比べて、得られる集光模様はより安定であり、透明屈折物体の位置や角度が多少変動しても集光模様の変化が少ないので、理想でない照明環境下でも集光模様を観察することができる。また、微妙な濃淡変化や曲線、鋭い形を含む集光模様も扱えるようになったことで、表現の能力が向上した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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