2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23800014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮部 真衣 東京大学, 知の構造化センター, 特任研究員 (00613499)
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Keywords | 多言語間コミュニケーション / 機械翻訳 / 多言語処理 |
Research Abstract |
本研究では,実社会への翻訳リペアの適用のために,利用場面に最適化した翻訳リペア支援を行うことを目的としている。平成23年度は,研究の目的である翻訳リペアの利用場面への最適化を目指し,翻訳リペアのためのルール集合の構築(STEP 1)および利用分野に最適化した言い換え文生成手法の構築(STEP 2)に取り組んだ.これまでに,翻訳リペアのための言い換えルール集合が提案されている.しかし,従来提案されている翻訳リペアのためのルール集合は,高精度な翻訳が要求される場面については考慮されていない.そこで,項精度な翻訳が要求される場面における翻訳リペアのためのルール集合の構築(STEP 1)に取り組んだ.特に正確性が要求される分野として医療分野を想定し,まず,より高精度な翻訳が要求される場面における翻訳リペアの適用可能性についての調査を行った.医療分野において機械翻訳が利用できるかどうか(翻訳リペアの適用可能性)および医療分野における翻訳文が満たすべき必要要件(ルール集合)について確認を行った.医療通訳者へのインタビューにより,従来,医療通訳者はどのような指針で通訳を行っているのかを確認し,医療分野で用いられる翻訳文に対する必要要件を整理した.その結果,必要要件を満たしていれば機械翻訳を利用することも可能であり,翻訳リペアの適用可能性を確認できた.また,現在の機械翻訳は,医療分野での翻訳文に対する必要要件を満たしているのかを確認するために,英語翻訳文,中国語翻訳文,韓国語翻訳文の精度評価を行った. また,言い換え文生成手法の構築(STEP 2)に着手した.言い換え文生成手法については,従来のルール集合と,STEP 1で明らかにした必要要件を統合していく必要がある.平成23年度は,従来のルール集合に基づく翻訳不適箇所の検出モジュールの構築に取り組んだ.STEP 1の内容の言い換え文生成手法への統合については,平成24年度に継続して取り組むことを想定している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は,翻訳リペアのためのルール集合の構築(STEP1)および利用分野に最適化した言い換え文生成手法の構築(STEP2)への着手を行った.STEP1については,医療通訳者へのインタビュー調査から,医療分野における翻訳文の必要要件が明確になった.今後さらに分析を進め,ルールを細分化していくが,.おおむね順調に進展している.STEP2については,平成23年度は,従来のルール集合に基づく翻訳不適箇所の検出モジュールの構築に取り組んだ.また,STEP2の内容については平成24年度も継続して取り組むことを想定しており,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に着手した言い換え文生成手法の構築について,継続して取り組む.なお,平成23年度に行った調査によって,より高精度な翻訳が要求される場面での翻訳文に対する必要要件を明確にすることができたが,翻訳リペアを適用しても翻訳文が医療分野での必要要件を満たすことができない可能性がある.この点については,適宜実験を行いながら確認し,翻訳リペアの適用可能な場面と,適用困難な場面を明らかにすることにより,ユーザが適切に利用可能性を判断できるようにする.
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