2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23800016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸田 智久 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (70608819)
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Keywords | 出生 / バレル / 体性感覚野 / 神経回路形成 |
Research Abstract |
本研究課題では、出生によるマウス体性感覚野バレル形成の開始制御の分子メカニズムの全貌の解明、および形成時期異常による神経回路異常の解明を目標として、平成23年度は以下の2点に注目して研究を推進した。 1、形成時期を規定する上流因子の同定も 一言で「出生」と言っても様々なプロセスが含まれている。そこで、出生に含まれる何れのプロセスが回路形成開始を制御しているか解析した。具体的には以下4つの可能性、(1)神経活動量の増加、(2)分娩時の物理的刺激、(3)母体内の出産時のホルモンの変化、(4)母体からのリリース、を検討した。(1)については、生直後からの継続的ヒゲ切除により検討した。(2)については、帝王切開により検討した。(3)(4)については、エストロゲン、プロゲステロン等の各種母体ホルモン・ホルモン受容体阻害剤や遺伝子欠損マウスを用いて検討した。その結果、(4)母体からのリリース、がバレル形成の開始を制御する重要な出生プロセスであることを見出した。 2、上流因子を感知する脳部位の同定 体性感覚はヒゲ→三叉神経節→三叉神経核→視床VPM核→大脳皮質感覚野へと伝達されることから、これらのいずれかの部位で出生による制御を受けている可能性が高い。そこで、視床VPM核バレロイド、視床皮質軸索ヒゲ対応パターンの形成時期が、出生により制御を受けているか検討した。その結果、視床VPM核バレロイドの形成時期は早産マウスでも変化がなかったが、視床皮質軸索ヒゲ対応パターンの形成は早産により促進されることを見出した。この結果から、出生による制御は視床皮質軸索レベルに作用することを明らかにした。
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Research Products
(1 results)