2011 Fiscal Year Annual Research Report
役を表現する演技をリアルタイムで行うバーチャルクリーチャ
Project/Area Number |
23800024
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三武 裕玄 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (30613939)
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Keywords | キャラクタ動作生成 / モーションプランニング / 物理シミュレーション / 環世界 |
Research Abstract |
本年度は,与えられた目的と状況に応じて身体動作を計画・実行するCGキャラクタを実現するため,環世界の考え方を取り入れた知識表現モデルとゴール指向プランニングを用いたキャラクタ動作生成エンジンの基礎的実現を行った. 目的と状況に応じた動作生成のためには,キャラクタの周囲の環境からキャラクタがとりうる行動を列挙し,複数の行動の組み合わせ例から目的を達成する行動を探索・実行する仕組みが必要となる.このことから,物理シミュレータのシーングラフを基本とし,シーングラフ中の各物体に対して取りうる行動の選択肢を付加した構造をキャラクタAIにおける知識表現のモデルとして採用した.また,物理シミュレーションされた身体・環境の状態は連続な数値で表されるため,行動の目標や達成条件を物理モデルのパラメータに対する条件文で記述するものとした.これにより,連続的な身体動作によって目的を達成する行動を複数の行動ルール記述から自動的に発見・実行するキャラクタをについて基礎的な実現を行った. また,キャラクタAIの挙動を設計するためのプラットフォームとして,既存のオープンソースCGソフトウェアであるBlenderを基盤とし,キャラクタAIの認識をリアルタイムで可視化する仕組みを実現した.キャラクタの動作基盤となる物理シミュレータと,キャラクタの認識を表現した知識表現モデルとは同じシーングラフ構造を持つように作成してあるため,両者を重畳させて描画することで,キャラクタを取り巻く状況とその中でキャラクタが認識している内容を対比してキャラクタAIの挙動調整を行うことが可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定した演技生成エンジンの実現について基礎的実現ではあるが達成した.キャラクタ行動ルールの作成・調整作業を行う環境も実現しており,次年度におけるエンジンの試用・改善を行う準備が整っている.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に実現した演技生成エンジンを用いて複数のキャラクタを想定した行動ルールの作成を行い,挙動を確認しながらエンジンの改良・調整作業を行う. また,前年度に実現した行動ルール作成環境を広く一般に公開して使用してもらい,問題点の発見と改善を行う.
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