2012 Fiscal Year Annual Research Report
皮質脳波(ECoG)法を用いた色と顔の知覚と想起の脳内メカニズムの解明
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23800026
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
谷川 久 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40373328)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 脳機能計測 / ブレイン・マシン・インターフェース / 皮質脳波法 / 色覚 / 顔認知 |
Research Abstract |
霊長類の色や顔の知覚および想起の脳内メカニズムを理解するために、昨年度に色の想起を必要とする行動課題を学習させた2頭のマカク属サルに、新たに顔の想起を必要とする行動課題を学習させた。その課題とは、レバーを引いて特定の白黒画像(手がかり刺激)を提示された後、2秒間の刺激のない遅延期間を経て、その白黒画像と関連付けられた物体画像(選択刺激)が提示された時にレバーを離すというものである(対連合学習課題)。その物体画像セットの中には顔の画像も含まれている。皮質脳波(ECoG)電極シートをサルの側頭葉と前頭葉腹側部の脳表面に設置し、上記の行動課題を遂行中のサルから 皮質脳波を記録した。遅延期間の間には、サルはその手がかり刺激から選択すべき視覚図形の情報を想起していると考えられる。そこで、遅延期間中の皮質脳波の活動にどのような情報が含まれているのかを、サポートベクターマシーンと呼ばれる機械学習のアルゴリズムを用いて解読した。その結果、記録電極を設置した側頭葉およびに前頭葉腹側部において、遅延期間中に手がかり刺激に依存した情報が保持されていることが示された。次に保持されている情報が、手がかり刺激の情報なのか、それとも手がかり刺激から想起された情報なのかを明らかにするために、新たに手がかり刺激の情報の保持を必要とする行動課題(遅延見本合わせ課題)をサルに学習させた。解読の結果、対連合学習課題の遅延期間と、遅延見本合わせ課題の遅延期間では、保持されている情報が異なることが示された。このことは、対連合学習課題の遅延期間中には想起された情報が保持されていることを示唆する。以上の結果から、皮質脳波法を用いることにより、少なくとも特定の条件下において脳内に想起された情報を解読することができることが明らかになった。この結果は、平成25年度の日本神経科学大会にて報告される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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