2012 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロピリン‐1発現ナチュラルキラー細胞の乳癌治療における意義に関する研究
Project/Area Number |
23800036
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 栄治 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00612897)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 乳癌 / トラスツズマブ / ニューロピリン / 単球 |
Research Abstract |
乳癌治療におけるneuropilin (NRP)-1発現免疫細胞の意義を実験的、臨床的に解析を行った。【結果】①健常者のPBMC解析で、NK細胞にはほとんどNRP-1は発現していない。一方で単球にNRP-1の発現が認められた。FACSAriaを用いてNRP-1陽性単球と陰性単球に分離し、この細胞をエフェクター細胞としてADCCアッセイを行った。NRP-1陽性細胞は陰性細胞と比較して有意に細胞傷害活性が高かった。さらにVEGFを添加するとこの細胞傷害活性は増強された。現在NRP-1の他のリガンドであるSEMA3Aを用いて同様の実験を施行中である。また、NRP-1陽性細胞は球形で標的癌細胞を密に取り囲んでおり細胞傷害活性で得られた結果と合致していた。一方NRP-1陰性細胞は樹枝状の突起を有し形態学的にはマクロファージ様の形態へと分化している様子が確認された。さらにCD107a抗体を用いたADCC活性評価においてもNRP-1高発現単球群はより高いCD107a発現を有することが確認された。②患者解析では6人のうち単球のNRP-1発現増強が認められたのは2人であった。化学療法に対する反応性について、治療前にNRP-1高値であった患者が減弱する症例が1例、治療前に低値であった患者が増強する患者が1例存在した。ごく少数での解析であるがこのNRP-1増強例は化学療法に対して腫瘍細胞の完全消失が確認された。【まとめ】NRP-1高発現はトラスツズマブによるADCC活性を増強する。その程度はVEGFにより正の修飾を受ける。乳がん患者間でNRP-1発現状況に高低が存在する。化学療法によりNRP-1発現単球が増加する患者と減弱する患者が存在する。【今後】さらにNRP-1発現の意義を単球において解析する。NRP-1発現とトラスツズマブ治療効果との関連を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)