2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変動物を用いた精子機能調節におけるカルシウムシグナル伝達機構の解析
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23800038
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 治彦 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員 (50604732)
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Keywords | 受精 / 精子 / カルシウム |
Research Abstract |
精子機能調節にカルシウムが必須だと知られているが、その詳しい調節メカニズムは明らかになっていない。本研究では、精巣で特異的に発現しているカルシウム依存性の脱リン酸化酵素(カルシニューリン)に着目した。精子を頭部と鞭毛に分画しウェスタンブロッティングを行うと、カルシニューリンの触媒サブユニット(PPP3CC)と調節サブユニット(PPP3R2)のどちらも鞭毛画分に観察された。また、抗PPP3R2抗体を用いて免疫沈降を行うとPPP3CCが共沈物として観察された。これらのことからPPP3CCとPPP3R2が複合体を形成して精子鞭毛に局在していると考えられる。PPP3CC以外のカルシニューリン触媒サブユニットであるPPP3CAとPPP3CBの発現は精子で観察されなかった。同様にPPP3R2以外の調節サブユニットであるPPP3R1の発現も精子で観察されなかった。この精子鞭毛に局在するカルシニューリン複合体の詳しい機能解析を行うためPPP3CCのKOマウスを作製した。KOマウスの精子ではPPP3CCだけでなく、PPP3R2も失われていた。PPP3CCがPPP3R2の精子における局在に必須であると考えられる。また、このKOマウスを、精子先体が緑色、ミトコンドリアが赤色の蛍光を示すTGマウス(RBGS/Red Body Green Spem)と交配させ、PPP3CC・KO/RBGSマウスを得た。今後、このマウスを用いて、雌性生殖器官内や卵丘・卵母細胞複合体内での精子の挙動を調べていく予定である。このKOマウスの表現型解析を通じて精子機能調節におけるカルシウムシグナル伝達機構の理解が深まることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PPP3CC・KOマウスの表現型解析は順調に進展している。PPP3CC・KO/RBGSマウスもすでに得ており、このマウスを用いてさらに解析が進むと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
PPP3CC・KO/RBGSマウスを用いてさらなる表現型解析を行っていく。またカルシニューリン以外にも、カルシウムで機能調節されると考えられているタンパク質のKOマウスを作製していく。
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Research Products
(2 results)