2011 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレスを標的とする前立腺がん治療戦略の構築
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23800042
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
谷本 竜太 岡山大学, 大学病院, 助教 (60613164)
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Keywords | REIC/Dkk-3 / 遺伝子治療 / Bip/GRP78 / 前立腺がん |
Research Abstract |
岡山大学で同定した新規がん抑制遺伝子REIC (Reduced Expression in Immortalized Cells)とBip/GRP78抑制化合物の併用による相乗効果を前立腺癌細胞を用いてin vitro、in vivoで解析し、より速やかに臨床応用可能な前立腺癌治療の確立に向けた基盤を構築する。申請者は、以前よりREIC遺伝子発現アデノウイルス(Ad-REIC)の腫瘍局所投与により、「癌細胞選択的なアポトーシス」に基づく抗腫瘍治療効果が得られることを証明している。昨年度の研究では、以前に確立したAd-REIC耐性前立腺がんクローンおよび膀胱がん細胞T24,J82を用いてBipの発現およびAd-REICの感受性を再度検討した。Bipの発現は親株であるPC3に比べ、その耐性クローンで上昇していたが有意な差を認めなかった。これは、細胞の保存の際、凍結融解したことによる細胞の形質転によると考えられた。そこで、再度親株のPC3にAd-REICを感染させ、残存した細胞から複数のクローンを樹立した。それらのクローンはAd-REICに強い耐性を認め、Bipの発現も有意に上昇していた。Bip/GRP78抑制化合物であるEpigallocatechin gallateをもちいてAd-REIC耐性クローンのBip抑制効果を検討した。in vitroにおいて20μMでは、Bipの発現は有意に低下しなかった。本年度は、Epigallocatechin gallateの至適濃度をさらに検討し、Ad-REICとの併用効果を検討するとともに、その作用メカニズムの解明、in vivoでの併用効果を検討する。また、その他のBip抑制化合物についても同様に検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
以前に樹立したAd-REIC耐性前立腺がんクローンの形質転換のため、再度クローンを作成し、その性質を確認する必要があった。
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Strategy for Future Research Activity |
Epigallocatechin gallateの至適濃度をさらに検討し、Ad-REICとの併用効果を検討するとともに、その作用メカニズムの解明、in vivoでの併用効果を検討する。また、その他のBip抑制化合物についても同様に検討する。
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Research Products
(1 results)