2012 Fiscal Year Annual Research Report
人工ウイルスによるレドックス病変部位への薬物送達とその治療
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23800045
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
戸井田 力 九州大学, 歯学研究院, 助教 (40611554)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | ナノバイオ / 医療・福祉 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
前年度までに、ポリエチレングリコールを介して肝臓ガン標的ペプチド(SP94)を化学修飾したナノカプセル(Hsp-PEG-SP94、論文受理済)と遺伝子組換えによりSP94を修飾したHspG41C-SP94(未報告)の二種を作製した。本年度は、HspG41C-SP94の細胞およびモデル動物での評価を行った。HspG41C-SP94はラット正常肝臓細胞には全く取り込まれなかったが、ヒト肝臓ガン細胞にはよく取り込まれた。一方、HspG41C-SP94のヒト肝臓ガン細胞への取込みは、SP94ペプチド共存下では強く阻害を受けたことから、HspG41C-SP94はヒト肝臓ガン細胞表面の何らかの分子を認識し、受容体依存的に取り込まれていると推察された。また、ヒト肝臓ガン細胞由来Huh-7細胞を移植したヌードマウスに全身投与後、蛍光イメージング装置によりその動態を経時的に評価したところ、HspG41C-SP94はごく少量であったがガン組織への蓄積が認められた。 本ナノカプセルのドラッグキャリアーへの展開を考え、種々のガンに対し抗癌作用が認められているドキソルビシン(DOX)修飾ナノカプセルを作製した。DOXにヒドラゾン結合(酸により加水分解される)を介してマレイミド基が修飾されたDOX-Malを新たに合成した。DOX-Malを遺伝子組換えみより変異導入したHspG41C-SP94のシステイン残基にマイケル付加反応により修飾したHspG41C-SP94-DOXを作製した。コントロールとして肝臓ガン選択性を持たないHspG41C-DOXも同様に作製した(論文報告済)。と比較してHspG41C-SP94はラット正常肝臓細胞に対する細胞障害性が10倍程度減少した。一方、ヒト肝臓ガン細胞に対する細胞障害性は両者で同等であった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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