2011 Fiscal Year Annual Research Report
球面上の点集合に対する尺度空間解析理論の構築とそのコンピュータビジョンへの応用
Project/Area Number |
23800059
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
望月 義彦 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (00609191)
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Keywords | コンピュータビジョン / 尺度空間解析 / 球面上の点集合 / クラスタリング |
Research Abstract |
球面上の点集合に関する尺度空間解析では、理論的な基礎の構築と、応用のための実践的な計算手法の構築とが必要となる。球面尺度空間とは、球面上の関数に対して熱方程式の解を考え、二次元球面に熱方程式の時刻を第三の軸として拡張した空間である。尺度空間理論は通常ユークリッド空間上で議論されるが、本研究ではそれを球面に拡張したものと考えることができる。 球面尺度空間での点の分布関数の計算は球面調和関数展開により行われるため、その座標系に関する表現の依存性と、その計算自体の複雑さが問題となる。前者は、球面全体を比較的均等なグリッドによってその関数を近似し、計算を離散化することで解消される。また、後者は高速球面調和関数展開や多重極展開などの既存の数値計算する手法を利用して実装を行った。実装の精度などの詳細な性能評価として、大きなストレージと高速な計算機による計画的な実施が必要となる。 尺度空間にできる極値の木構造を元にした球面上の点集合のクラスタリング手法の開発と、実装および評価実験を行った。このような尺度空間上の木構造は位相的には単純であるが、特に低尺度付近では、離散計算による近似の影響が大きく出るため、より正確な計算をするための異なる手法を導入する必要があることがわかった。また、クラスタリング結果と極値の木構造との関連性のより詳細な検討によって部分木単位での自動的な尺度選択の手法の開発を現在行っている。 また本研究で使用する尺度空間の計算は点集合以外の球面画像にも適用できる。尺度空間をマルチグリッドの生成とみなして、動画のオプティカルフロー計算に応用可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在のハードディスクの値段高騰と品薄の影響で十分な計算能力を持つマシンの購入に遅れが生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
特に変更はなく、研究計画どおり遂行する予定である。
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Research Products
(1 results)