2012 Fiscal Year Annual Research Report
心臓の機械的負荷への適応機構解明:カルシウム動態と冠微小循環リモデリング
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23800067
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
氏原 嘉洋 川崎医科大学, 医学部, 助教 (80610021)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | リモデリング / 心肥大 / 心不全 / カルシウム / メカニカルストレス / 心機能 / Ca2+ハンドリング / 血行動態負荷 |
Research Abstract |
心筋細胞でみられる収縮・弛緩、細胞分化や肥大応答等の生理機能は、形質膜や筋小胞体に発現しているCa2+輸送体の緻密なCa2+ハンドリングによって維持されている。Ca2+輸送体のうち、形質膜に発現しているNa+/Ca2+交換体は、心臓の拍動ごとに流入してくるCa2+を、細胞膜を介したNa+の濃度勾配を利用して細胞外へと汲み出す実質上唯一のCa2+排出系として働くことが知られている。これまでの研究より、不全心筋細胞ではNa+/Ca2+交換体の発現量が増加していることが報告されており、この現象は細胞内Ca2+濃度の上昇に対する適応応答であると考えられている。しかしながら、Na+/Ca2+交換体は、状況に応じてCa2+流入系としても働きうること、さらに筋小胞体Ca2+ポンプに比べてエネルギー効率の悪いCa2+排出系であることを考慮すると、Na+/Ca2+交換体の発現量の増加が心不全増悪因子となる可能性も否定できない。 本研究では、心不全発症と重篤化におけるNa+/Ca2+交換体の病態生理学的役割を検討するために、イソプレテノール長期投与、あるいは大動脈結紮手術によって心不全モデルを作製した。これらの心不全モデルマウスについて、エコーによる経時的な心機能評価を行うことで心機能の低下を確認した後、心筋細胞でのNa+/Ca2+交換体の発現量および活性を計測した。これらの結果より、心不全モデルマウス心臓では、心機能の低下に依存して、Na+/Ca2+交換体の活性が低下していることが明らかになった。このことは、細胞外へのCa2+排出機能の低下が心不全増悪因子となりうることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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