2011 Fiscal Year Annual Research Report
最新の光技術を用いた運動学習過程での大脳細胞活動遷移と可塑性誘導機構の連関の解明
Project/Area Number |
23800071
|
Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
正水 芳人 基礎生物学研究所, 光脳回路研究部門, 特別協力研究員 (90608530)
|
Keywords | 2光子カルシウムイメージング / 光遺伝学 / 運動学習 |
Research Abstract |
運動技能は、繰り返し練習して身につけた動作で、運動学習が重要な役割を果たす。学習は段階的に進行し、初期は動きが未熟でぎこちないが、練習により行動の正確さや速度が増し、後期に運動は自動化される。これまでの研究では、学習過程で、同一の神経細胞での神経活動が経時的にどのように変化するのか、課題関連神経細胞の空間的分布がどのように変化するのかが明らかにされていなかった。また、大脳新皮質の各層での神経細胞の活動の時間的・空間的分布の違いも着目されていなかった。本研究では、げっ歯類1次運動野第2/3層および第5層での課題関連神経細胞を同定し、随意運動学習過程における細胞活動の時間的・空間的分布を明らかにし、運動学習メカニズムの解明を目指す。平成23年度は、課題関連神経細胞を同定し、課題実行時の神経細胞の活動をリアルタイムで観察するために、アデノ随伴ウイルスを用いて蛍光カルシウムセンサーを1次運動野の神経細胞に発現させ、2光子顕微鏡下、運動学習課題実行時の、第2/3層および第5層の単一細胞レベルで多細胞の神経活動を観察した。平成24年度は、本実験で得られた1次運動野第2/3層および第5層の学習初期・学習後期・学習後での神経活動のデータを解析し、学習によって、各層の同一の神経細胞で、神経細胞の発火と運動の相関はどのように変化するのか、課題関連神経細胞の空間的分布はどのように変化するのかを明らかにする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、運動学習過程での神経活動の遷移を明らかにするために、長期間、同一の脳領域を顕微鏡下で観察できる系を立ち上げた。従って、本研究は順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、本実験で得られた1次運動野第2/3層および第5層の学習初期・学習後期・学習後での神経活動のデータを解析し、学習によって、各層の同一の神経細胞で、神経細胞の発火と運動の相関はどのように変化するのか、課題関連神経細胞の空間的分布はどのように変化するのかを明らかにする。
|