2011 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素環境下における持久性運動が筋細胞内脂質代謝に及ぼす影響
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23800075
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
大澤 拓也 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 契約職員(測定技術者) (70613496)
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Keywords | プロトン核磁気共鳴分光法 / 低酸素暴露 / 細胞内脂肪 / 長時間運動 / 近赤外分光法 |
Research Abstract |
平成23年度は、研究成果を上けることはできなかったが、翌年度に研究を推進していくための大変重要な準備の一年となった。 本研究を推進していくうえで最も大事なことであり、また難しい問題は実験IIにおける骨格筋の細胞内および細胞外脂肪の定量化である。その測定はプロトン核磁気共鳴分光法(1H-MRS)により行われる。 本研究では、先行研究と同様に下腿部の3筋を同時に測定する予定であった。実際にプレ実験でそれらを測定した結果、同時測定ではヒラメ筋は十分に評価できるものの、腓腹筋は被験者によって、1H-MRSの波形(スペクトル)にノイズが大きく、評価法を再検討する必要性を感じた。そのため、測定時間が長くなるものの、筋ごとに細かく合わせて測定することとした。 また実験Iでは、近赤外分光法(NIRS)により走運動中の筋脱酸素化動態および再酸素化動態をモニタリングし、活動筋間の不均一性を評価する。 我々は以前、自転車運動時における活動筋間の酸素飽和度の違いについて研究を行った。しかし、今回は運動プロトコルが走運動であるため、自転車運動時と同様に据置型のNIRS装置では適していなかった。そのため、平成23年度の研究費で携帯型を購入し、測定を試みている。プローブの固定法など、まだ問題もあるが、着実に前進しており、平成24年度の前半には実験法も確立され、本実験に入ることができると思われる。 以上のように、本実験を行うことはできなかったが、プレ実験により、実験を実施するうえでの問題点が明らかになり、すべてでないが、解決することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験IにおいてNIRS装置を用いるのだが、その装置が本実験に適しておらず、別な装置(携帯型)の購入に時間を要した。 実験IIにおいて1H-MRSにより、骨格筋細胞内および細胞外脂肪を測定するが、その方法の確立に時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、実験Iで用いるNIRSの測定について、改めて確認を行う。その後、実際の本実験を遂行する。 実験IIにおける骨格筋細胞内および細胞外脂肪の評価を下腿部3筋で行う予定であるが、データによっては測定部位を2筋にする可能性がある。
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Research Products
(6 results)