2011 Fiscal Year Annual Research Report
東京都における地下水の有効的かつ合理的利用による経済的効果の総合評価
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23810002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
徐 峰 筑波大学, 生命環境系, 特任助教 (70602811)
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Keywords | 地下水 / 経済的効果 / 基本モデル / 最適化シミュレーション / 水循環 / 総合評価 |
Research Abstract |
本年度では、本研究の基本モデルの構築に必要なデータ収集・整理・分析とその基本モデルの構築を行った。 I.基本モデルの構築に必要なデータ収集・整理・分析 (1)本研究に関連する研究成果や政策の資料や文献を収集し、シミュレーション応用という観点から整理した。(2)東京都における社会経済活動、水需要量等のデータを収集し、地域レベルでの産業構造、経済成長、土地利用、人口、水需給の関係の特徴を分析した。(3)地下水環境の検討および地下水解析の実施に先立ち、必要または参考となる水理地質関連資料、水門観測・調査結果、地下水利用に関する資料などの情報について収集、分析を行った。(4)東京都における地下水位低下の許容量、地盤変位の許容量、用水量に対する制約などの地下水制約条件について検討を行った。 II.最適揚水計画策定モデル、水循環モデル、社会経済モデルをそれぞれリンクさせた基本モデルの構築 まず複数の帯水層システム下の地下水流動をシミュレートする3次元地下水流動式と線形/非線形計画法をカップリングした最適揚水計画策定モデルを構築した。続いて、東京都内において経済活動を行う主体として、いくつかに類された産業部門、民間消費部門、行政部門を設定し、社会経済モデルを構築した。また水資源はそれぞれの部門で需要に応じて供給されていると設定し、こういった水収支を均衡式で表現した。これらの水収支や価値バランスについての均衡式がすべて満たされれば経済として成立するが、ここで、一つの指標を設定し、制約式をすべて満たした上でこの指標(目的関数と呼ばれる)を最大化する一つの指標を設定し、制約式をすべて満たした上でこの指標(目的関数と呼ばれる)を最大化するような各部門の活動量を求めることがシミュレーションの内容である。地下水の揚水量も制約式としてモデルに定式化され、この制約量のキャリブレーションによりその最適値を求める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに平成23年度では、必要なデータ収集・整理・分析を行ったとともに、本研究の基本モデルの構築を完成した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成23年度で構築した基本モデルの規格設定を行うとともに基本モデルの特定化とパラメータ設定を行う。その後、開発した基本モデルを用いて、最適化シミュレーションを実行する。得られた結果の解析から東京都において地下水を新たな水資源として有効的かつ合理的に利用する場合、地域経済にもたらす影響の評価を行う。
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Research Products
(7 results)