2012 Fiscal Year Annual Research Report
カーネル法と制御ポリシーを用いた中長期的投資戦略最適化
Project/Area Number |
23810007
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高野 祐一 東京工業大学, 社会理工学研究科, 助教 (40602959)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 多期間ポートフォリオ / 数理最適化 / 次元縮約 / 制御関数 / カーネル法 |
Research Abstract |
ポートフォリオ最適化問題とは各金融資産への投資決定を行なう問題であり、「低リスク」かつ「高リターン」の資金運用を実現することが目標となる。本研究では、中長期的な資金運用を想定し、計画期間の途中でのリバランス(投資の組み替え)を含めて投資決定を行う多期間ポートフォリオ最適化問題に取り組んだ。 平成23年度は非線形の制御関数を利用してリバランスを行なう多期間ポートフォリオ最適化モデルを定式化し、非線形データ解析の手法であるカーネル法を利用して凸2次最適化問題に帰着した。計算実験の結果、提案モデルは良好な運用成績を得られる可能性があることを確認したが、「小規模の問題であっても計算のために長い時間を要する」「過去データに過剰に適合してしまい事後的な運用成績が大きく悪化する」という問題点があった。 そこで平成24年度は、固有値分解を利用した次元縮約によって問題サイズを縮小する方法を提案した。この方法では、情報量を維持しながら計算負荷を減少させることができ、ノイズ除去効果によって過剰適合を抑える効果も期待できる。提案手法の有効性を検証するために米国市場の株価データを用いた計算実験を実施した。計算実験の結果、提案する問題サイズ縮小法は計算時間の削減、メモリ不足の回避に有用であることを検証し、さらに事後的な運用成績を向上させる効果があることも確認できた。 本研究は金融工学分野の多期間ポートフォリオ最適化問題に対して制御理論と機械学習理論を応用した分野横断型の融合研究である。また、本研究の成果は、機関投資家や個人投資家が活用できるのはもちろんのこと、長期的に安定した資金運用が求められている年金の運用などでも本研究で提案する手法は有用だと考える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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