2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23810021
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
野々口 斐之 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 特任助教 (50610656)
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Keywords | 半導体ナノ結晶 / ナノワイヤー / 超格子 / 熱電変換素子 |
Research Abstract |
半導体ナノワイヤーは一次元の輸送材料やフォトニクス材料として広く研究されているが、バルク半導体の超薄膜積層のような複雑な超構造を有するタンデム型半導体ナノワイヤーの作製技術はまったくの未踏領域である。本研究では、異種のカルコゲニドが交互に連結した一次元超格子半導体ナノワイヤーを開発した。この超格子に類するナノワイヤーの電子構造は組成とサイズによって制御可能であった。合成の拡張性も認められ、球状やロッド状を含む種々のカドミウムカルコゲニド半導体ナノ結晶を原料として、異種の半導体をサンドイッチしたナノワイヤーを作製できることが示された。この結晶成長は溶液中において自発的に進行する。この合成方法は異種半導体間(AおよびB)で異なるデバイ温度、すなわち結晶格子の安定性の違いを利用する。温度制御によって成分Aのみ反応活性な条件を作り出し、安定な成分Bを成分Aの格子面選択的成長を介して溶着する。部分的なヘテロ構造が生成すると、これらは自発的に超分子相互作用により配列し、面選択的なOriented Attachment機構により接合することが実験的に示唆された。従来のヘテロ構造の作製手法として比較的高温条件における面選択的なヘテロエピタキシャル結晶成長が挙げられるが、オストワルド熟成や原子の拡散による種結晶の消失や合金化も同時に進行する。またしばしば、結晶成長の面選択性も失われる。本研究はデバイ温度の大きく異なる材料系を採用することによって、これらの問題を合理的に解決した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度には主にデバイスに用いる半導体材料の合成を計画した。この目的はほぼ達成され、論文発表に至ったことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
PN接合ナノワイヤー(たとえばPbSe・PbTe)を作製し、単一成分ナノ粒子やバルク材料に対する熱電変換効率の増強の可能性を探索する。
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Research Products
(7 results)