2011 Fiscal Year Annual Research Report
病原性微生物が生産する天然物の化学構造決定および生合成機構の解明に関する研究
Project/Area Number |
23810026
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
鰐渕 清史 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (00613663)
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Keywords | 生合成 / 天然物化学 / 創薬 / コリバクチン / 病原微生物 / ポリケタイド / ペプチド / 大腸ガン |
Research Abstract |
我々は、米国NIHの協力を得てP3レベル実験室で上記の病原性大腸菌よりゲノムを得た。得られたゲノムを用いゲノミックライブラリーを作成した後、目的の生合成遺伝子群を取得することに成功している。本生合成遺伝子の発現方法に関して2通りのシステムを構築した。 一つ目の合成システムは、本生合成遺伝子群を大腸菌を宿主とする発現ベクターに導入し、発現させることで目的化合物を合成するものである。目的の生合成遺伝子群は大腸菌由来であるため、発現の時に用いる宿主は大腸菌が最適であると考えられる。一方で、発現ベクターの構築時に用いる宿主は、酵母であるS.cerevisiを用いた。用いた発現ベクターは大腸菌-酵母のシャトルベクターである。目的の生合成遺伝子であるPKSおよびNRPS遺伝子は一般に5~10kbと巨大であるため、発現ベクターに適切に導入することが困難となる。また、化合物の炭素骨格を修飾するための酵素遺伝子の発現も必要となるため、多数のオープンリーディングフレーム(open reading frame,ORF)をベクターに導入することが必要不可欠となる。最終的には全長53kbにおよぶ20個のORFを一つの細胞内で発現させる必要がある。そこで我々は、酵母であるS.cerevisiを主に用い、既に確立されている相同組換えによる発現ベクター構築法によって目的の生合成システムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に研究計画書に記載された計画通りに進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのところ、研究計画の変更予定はなく、当初の計画に従って研究を遂行することで成果を得られると考えられる。
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