2011 Fiscal Year Annual Research Report
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23820001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 敦士 北海道大学, 大学院・文学研究科, 専門研究員 (20609094)
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Keywords | ワ族 / 民族言語学 / 雲南省 |
Research Abstract |
本年度は、中国雲南省に散在する未解明ワ系民族のうち、孟連県北部および北西部に居住するワ族支系に対するフィールド調査を重点的におこなった。孟連県北部および北西部には、これまで未解明であったヴォやアルヴィアなどの集団が居住している。フィールド調査では、これらの民族集団の言語的概観を得るとともに、社会言語学的な情報の把握に努めた。フィールド調査以外の期間は、これまでに収集されたものも含め、言語資料の整理および分析に努めた。特に、威信的方言であるパラウク集団との比較・対照資料の作成をすすめた。また、次年度以降にいかに現地へ研究成果を還元するかという点についても、他分野・他地域の事例などを参照にしながら立案をすすめている。 本年度の成果としては、第一に、孟連県北部富岩郷のヴォ集団に対する言語的資料の系統的収集が挙げられる。収集された一次資料をもとに、音声・音韻的概観を得ることができた。この集団に対する言語資料は、当地の地域的特徴である声調や発声法などの歴史音韻論的考察においても重要である。また、隣接研究分野からの要請も大きいことから、早期の公開に向けた準備をすすめている。このほか、これまでの言語調査の内外で得られた社会言語学的情報の比較検討をおこなった。その成果として、ワ族全体の文字表記にかんする現状報告をおこなうとともに、正書法とワ語諸方言の関係について報告をおこなった。これらは、無文字社会における表記を考えるうえでも、きわめて重要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
孟連県内における調査研究については順調に進行している。一方で、比較対照のための調査地域と想定していた、近接の西盟地域西南部における調査研究には至らなかった。その理由として、当初見込まれていた公道の開通が遅れていることが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も孟連県のワ族支系を主たる調査対象とする。特に北部と南部に分布する未解明集団の基礎的資料・情報の収集に努める。また比較対象として、当該地域からタイ王国北部へ移住したワ族支系に対する調査を視野に入れる。そのほか、研究者間の連携・情報共有をはかるため、ワ族の言語文化および歴史にかんする研究会を開催する。
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Research Products
(2 results)