2012 Fiscal Year Annual Research Report
共生の観点からみる中世後期ドイツ都市における聖職者の役割-教区主任司祭を例に
Project/Area Number |
23820018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原田 晶子 東京大学, 総合文化研究科, 教務補佐員 (70608653)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 西洋史 / 中世史 / ドイツ史 / ドイツ中世史 / 都市史 / 教会 / 聖職者 / ニュルンベルク |
Research Abstract |
中世ドイツ都市史研究において、法的特権を持つ聖職者は都市の中の異分子とみなされ、長らく研究の主眼は都市と聖職者の対立に置かれてきた。しかし近年、市参事会は市民の宗教世活にも責任を負っているという意味においてメラーが示した「聖なる共同体」という都市像が受け入れられつつあり、都市と聖職者の関係も再考を迫られている。教会組織の末端に位置する教区主任司祭に関しては従来あまり研究がなかったが、申請者は帝国都市ニュルンベルクを例に刊行史料を用いて-日独において初めて-教区主任司祭のほとんどが法学の学位を持ち、都市使節として外交活動に係わっていたことを明らかにした。本研究は、未刊行史料を用いてさらに活動内容の詳細を追い、都市と聖職者の共生的関係という観点から、新しい中世都市社会像を提示することを目的としてる。 6月までは前年度に引き続き手書き史料の読解、分析作業と二次文献の精読を行った。この成果は6月24日開催の西洋中世学会第4回大会のポスターセッション(於慶應義塾大学)にて、中間報告として発表済みである。 夏期休暇期間中にはドイツとフランスで史料調査を行った。まずニュルンベルクで主にバイエルン州立文書館に通い、ニュルンベルク市参事会の外交文書集(1408~1738年、359巻)の内、今年度は1475年~1525年の文書を閲覧、必要な文書を複写してきた。その後テュービンゲンに移動し、後期中世都市に詳しいテュービンゲン大学の教授と面談、同大学図書館にて比較的古い刊行史料や二次文献の収集を集中して行った。その後はパリでフランス国立図書館が所蔵するドイツ関係マニュスクリプトのニュルンベルクに関する史料の調査を行った。 現在は、夏の調査で収集してきた手書きの史料を読解、分析し、二次文献を精読している最中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)