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2012 Fiscal Year Annual Research Report

インド北西部における社会再編の動態と<エスノスケープ>に関する社会人類学的研究

Research Project

Project/Area Number 23820019
Research InstitutionTokyo University of Foreign Studies

Principal Investigator

小西 公大  東京外国語大学, 現代インド研究センター, 研究員 (30609996)

Project Period (FY) 2011-08-24 – 2013-03-31
Keywordsグローバル化 / エスノスケープ / カースト論
Research Abstract

本研究では、インドの周辺部における社会的変動とその再編過程における新たなエスノスケープの創出を、社会人類学的な手法により明らかにすることが目された。主な対象となったのは「指定トライブ」および「ムスリム楽士」というマイノリティ集団である。彼らは、経済自由化やグローバル化の影響下で、従来の社会構造における支配層の庇護の喪失を経験し、新たな生計戦略を創出しなければならない状況下にある。双方ともに共通しているのは、都市部の観光化に伴って生み出された近代的産業の末端への編入を試みるとともに、社会関係資本を駆使して新たな賃金労働の機会を獲得するために、緩やかではあるが、空間的な移動を活発化させている点である。本研究の主眼は、こうした移動性が生み出す両集団の社会空間の収縮・拡大の状況や社会的ネットワークの変質状況を明らかにするとともに、両集団にみられる、これまでとは異質なエスニシティの創出とその共同性を生み出す原理を明らかにすることにあった。集約的なフィールドワークの結果、指定トライブに関しては、都市への流入よりも、親族・姻族ネットワークという従来の社会関係資本を可能な限り拡大させながら、都市から離れた周辺部を移動する分散型のネットワークが形成されていたことが明らかになった。一方、ムスリム楽士集団は、自らの芸能に関する技能やレパートリーを変質させ脱文脈化することで、都市部を中心として生み出された近代的な音楽産業に編入されていき、前者に比べると流動化が際立っていることが理解された。本研究では、グローバル化と旧来の社会構成の崩壊による周辺諸集団の社会再編の動態が多様であり、かつその再編がそれぞれの集団の持つ職能の伝統性の質や性格によって規定されていることを明らかにした。このことは、従来近代化論で提示されてきた「カースト」持続論や消滅論のもつ理論的な脆弱性を明らかにすることにつながった。

Current Status of Research Progress
Reason

24年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • Research Products

    (10 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (2 results) Presentation (6 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] 『カースト』と『トライブ』―集団範疇をめぐる政治学2012

    • Author(s)
      小西公大
    • Journal Title

      金基淑(編)『カーストから現代インドを知るための30章』

      Volume: 明石書店 Pages: 36~47

  • [Journal Article] マーンガニヤール―人間類型の迷宮への誘い2012

    • Author(s)
      小西公大
    • Journal Title

      金基淑(編)『カーストから現代インドを知るための30章』

      Volume: 明石書店 Pages: 259~266

  • [Presentation] 欲望は歌にのせて―タール沙漠ムスリム芸能集団にみる「語り」の可能性

    • Author(s)
      小西公大
    • Organizer
      東京外国語大学現代インド研究センター、FINDAS「若手研究セミナー」
    • Place of Presentation
      東京外国語大学本郷サテライト
  • [Presentation] レモンをめぐる幻影―タール沙漠の芸能社会にみるモダニティ・ローカリティ・ジェンダー

    • Author(s)
      小西公大
    • Organizer
      現代インド地域研究京都大学中心拠点「現代インド人類学セミナー」
    • Place of Presentation
      京都大学吉田キャンパス
  • [Presentation] <対話性>の人類学に向けた試論―インド・タール沙漠のトライブ社会における信仰実践の複数性から

    • Author(s)
      小西公大
    • Organizer
      人間文化地域研究地域研究推進事業「研究員研究会」
    • Place of Presentation
      京都大学稲盛財団記念館大会議室
  • [Presentation] <対話性>の人類学に向けて―インド周縁部における神格の複数性/選択性から

    • Author(s)
      小西公大
    • Organizer
      白山人類学研究会定例研究会
    • Place of Presentation
      東洋大学白山キャンパス
  • [Presentation] 「『部族』をめぐる言説空間―大塚人類学とインドにおけるトライブ研究との接合可能性

    • Author(s)
      小西公大
    • Organizer
      東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同利用・共同研究会
    • Place of Presentation
      東京外国語大学本郷サテライト
  • [Presentation] “Folk Music”が生み出されるとき―『レモン唄』にみるタール沙漠世界のモダニティ

    • Author(s)
      小西公大
    • Organizer
      民博共同研究「グローバリゼーションの中で変容する南アジア芸能の人類学的研究」研究会
    • Place of Presentation
      国立民族学博物館
  • [Book] Jaisalmer: Life and Culture of the Indian Desert2013

    • Author(s)
      Masatoshi Konishi, Kodai Konishi
    • Total Pages
      153
    • Publisher
      D.K.Printworld
  • [Book] BRICsがわかる教科書(インド・中国編)2012

    • Author(s)
      井上貴子・小西公大
    • Total Pages
      107
    • Publisher
      アイ・イーシー

URL: 

Published: 2014-07-24  

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