2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23820031
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
磯部 敦 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (00611097)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 出版史 / 活版印刷 / 新聞 / 布達 / 山梨県 / 長野県 / 群馬県 / 情報流通 |
Research Abstract |
1.前年度の調査をふまえ、山梨県立図書館所蔵明治期行政文書のうち教科書出版に関する文書の翻刻と、山梨県新聞史の始発となる『峡中新誌』について新出文書の翻刻と分析を、本研究の成果として発表した。 2.明治初期山梨県の新聞史について、戸籍法公布とともに導入された区長戸長制度に着目。山梨県立博物館所蔵文書のうち区長戸長らの日誌を調査し、彼らの業務における新聞や布達の取り扱いの把握に努めた。また『峡中新聞』『甲府新聞』、および当時の政府御用新聞『日新真事誌』記事調査をとおして活版印刷導入過程の把握に努めた。調査の結果、明治8年の布達から「管内無洩相達する者也」の文言が消え、県内の隅々にまで行き渡るような環境が完成したことが明らかになった。 3.長野県については、前年度に引き続いて高美甚左衛門と、その高美が中心となって起業した「吟天社」の活動に着目。吟天社と高美の活動の相関関係を考察するための基礎作業として文芸雑誌『清籟新誌』などの出版物や吟天社が印刷で関わった布達類などの書誌調査をおこない、吟天社の活動初期においては上伊那郡役所との関係が経営の根幹をなしていたことを確認した。吟天社における印刷機器の導入過程、経営実態については今後の課題である。 4.群馬県については、東京大学大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センター(明治新聞雑誌文庫)所蔵「書抜新聞史料」の調査、および群馬県立文書館所蔵明治期行政文書のうち明治一桁代の文書の悉皆調査をおこなった。群馬県では明治8年10月「管内布達取扱並費用之制」によって情報流通機構が整ったこと、自前で作製した活字が散見されることなどが明らかとなった。庁内に設けられた活版局についての内部文書は見あたらず、周辺史料の博捜は次の課題となる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)