2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23820047
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
奥 彩子 共立女子大学, 文芸学部, 講師 (90513169)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 東欧 / 亡命文学 / ディアスポラ |
Research Abstract |
2011年度におこなってきた東欧地域研究の研究会の成果として、論集『東欧地域研究の現在』を出版するにいたった。本論集には、狭義の東欧(ドイツ語圏と旧ソ連圏をのぞいた、ヨーロッパの旧共産圏の国々)のすべての国についての論考が収められているという、東欧研究のなかでも類例のない規模の論集となっている。申請者はこの論集に編者の一人として参加し、さらに、自らも東欧の女性作家についての論考を執筆している。この論文では、東欧女性作家の歴史を中世から丹念に追いかけつつ、旧ユーゴスラヴィア出身の亡命作家ドゥブラヴカ・ウグレシッチを「東欧」の作家であるとみなすことの意味について論じている。また、亡命の諸相に関しては、ダヴィド・アルバハリ、ウグレシッチ、アレクサンドル・ヘモンらを論じた論文「記憶の変奏―ユーゴスラヴィア解体と文学的ディアスポラ」(『ユーラシア世界2ディアスポラ論』東京大学出版会、2012.7)を発表した。 2012年7月には国際世界文学セミナー(於トルコ・イスタンブール)に参加し、世界各国から参加した若手研究者と意見交換を行った。なかでも東欧の演劇に関するセミナーを通して、東欧文学の独自性を確認できたことは大きな成果であった。 さらに、2013年に東欧文学の見取り図を描いた編著『ガイドブック東欧の想像力』を刊行予定であるが、2012年夏に構成を大幅に見直し、東欧以外地域で活躍する東欧系作家についても加えることとなった。こうした研究を通して、「東欧」の枠組みの有用性を確認しつつ、亡命文学の多様さについての検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)