2012 Fiscal Year Annual Research Report
若者の議院外政治運動と「無党派」的政治文化―戦前日本における実態と比較史的考察
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23820058
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
伊東 久智 早稲田大学, 大学史資料センター, 助手 (90434373)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 日本近現代史 / 若者 / 青年 / 学生 / 政治運動 / 政治文化 / 議会政治 / 政党政治 |
Research Abstract |
〔研究目的〕本研究は、日露戦後から大正期にかけて、議会周辺で展開された若者を担い手とする政治運動(「院外青年」運動)を、超党派的=世代的連帯への志向性など若者独自の政治文化に着目しつつ明らかにしようとしたものである。 〔研究方法〕具体的には、本研究を①〈基幹的研究〉と②〈発展的研究〉とに大別し、①では、(1)中心的活動家の一次史料調査と(2)「院外青年」運動出身者の成年(代議士)時代の活動を分析した。また②では、(1)「院外青年」運動を受けて展開された地域青年党運動と、(2)同時代の国外(植民地を含む)における青年政治運動に関する基礎的調査を行った。 〔研究成果〕特に本年度は、上記①に関して、「院外青年」運動に思想的影響を与えた思想家・茅原華山の個人雑誌『内観』の調査を大阪府・北海道において、山元亀次郎・前田郁の事績調査を鹿児島県においてそれぞれ行った。また、昭和戦前期の政治史研究文献・資料集等の収集を進め、「院外青年」運動出身代議士の多くは戦時期に新体制運動等において重要な位置を占めること、しかしそうした彼らの行動と青年時代の経験との関連性についてはいまだ明らかにはされていないことなどが確認された。 さらに②に関して、地域青年党運動に関する研究史整理を進めるとともに、朝鮮史については、基礎的文献となる李基勳「日帝下青年談論研究」(2005年度ソウル大学校博士論文)の目次・序論・第一章「大韓帝国期-1910年代青年のディスクールの形成と展開」を業者委託によって翻訳し、読解を進めた。 以上により、「院外青年」時代の運動と代議士時代との活動とをシームレスに把握しつつ、さらにその知見を〈地域〉や〈帝国〉といった発展的視座に接続するための材料を確保することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)