2012 Fiscal Year Annual Research Report
ルネサンス期フィレンツェにおける修道院聖堂主祭壇周辺装飾に関する研究
Project/Area Number |
23820060
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Research Institution | Keisen University |
Principal Investigator |
伊藤 拓真 恵泉女学園大学, 人文学部, 助教 (80610823)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | イタリア美術 / サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂 / ルネサンス美術 / キリスト教美術 / ドメニコ・ギルランダイオ |
Research Abstract |
フィレンツェ都市部の修道院聖堂において、15世紀後半から16世紀前半に行われた主祭壇周辺(主礼拝堂など)の装飾を多角的・包括的に論じることを目的とした本研究の最終年度である2012年度には、前年度から引き続きサンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂主礼拝堂の装飾を中心として研究を継続すると同時に、同時代、前後の時代の類例との比較をさらに進め、中世から対抗宗教改革期への聖堂空間内部の装飾についての時代的・地理的な広がりのなかに、1500年前後のフィレンツェにおける主祭壇周辺の装飾事例を位置づけることを目指した。比較対象としては、後世の改変を被っているとはいえ中世末の要素を多々残すサンタ・クローチェ聖堂(フィレンツェ)の事例や、サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂主祭壇画にならって祭壇画が制作されたと考えられるサンティッシマ・アヌンツィアータ聖堂(フィレンツェ)の事例、さらにサンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂全体の後世の改修においてに主礼拝堂がどのような改変を受けたのかを重点的に調査した。これらの点に関して、先行研究を精査するとともに、夏期・春期にイタリアを中心とする現地調査を行い、パルマのマニャーニ・コレクション、ブタペスト西洋美術館などに所蔵された関連作品についての実見調査を行ったほか、フィレンツェの国立公文書館などに保管されている古文書の追加的な確認・調査を行った。 上記の研究の成果として、サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂のためにドメニコ・ギルランダイオが制作した両面祭壇画の再構成について新説を立て、美術史学会東支部例会で口頭発表を行ったほか、英文による論文を執筆し投稿中である。また、礼拝堂周辺の多様な装飾が制作されるにあたっての複合的な要因について、同聖堂の主礼拝堂を例として、注文主と制作者の双方から考察した論文を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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