2012 Fiscal Year Annual Research Report
ドゥルーズ哲学における言語の問題とその自然主義的記号論の生成
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23820066
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
小林 卓也 京都産業大学, 文化学部, 講師 (50611927)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 思想史 / フランス現代思想 / ドゥルーズ / 自然 / 言語 / 記号論 / 自然主義 / 超越論的経験論 |
Research Abstract |
本研究は、ドゥルーズ哲学における言語と自然主義という観点から、その思想的変遷を明らかにすることを目的としている。最終年度の本年は、主として70年代以降に展開される後期ドゥルーズ哲学を「自然の感性論」として捉え、その内実およびそこへ至る思想的変遷を辿った。その成果は、以下の口頭発表および論文にて開示されている。1.『フランス哲学・思想研究』第17巻(2012)に「ドゥルーズ『意味の論理学』におけるエピクロス派解釈について」と題した論文を発表した。これは、従来の研究において論じられてこなかった『意味の論理学』におけるエピクロス派の役割を特定し、それが後期ドゥルーズにおける自然哲学へと連なることを指摘した。2.5月13日開催の日本哲学会(大阪大学)にて、「超越論的経験論とは何か――前期ドゥルーズにおける「人間的自然」をめぐって」を口頭発表。ドゥルーズによるカントとヒューム読解を手掛かりに、そこから「人間的自然」というテーマを抽出・分析を行った。3.6月27日開催の第5回ドゥルーズ国際学会(ルイジアナ大学)にて、「ドゥルーズ哲学における自然の感性論」を口頭発表。この原稿に加筆、修正を加えた論文は、Philosophy Study誌に掲載予定(印刷中)。そこでは、ドゥルーズによるカント批判を分析し、彼の自然哲学が形成される過程を論じた。4.10月7日の第11回国際記号学会(南京師範大学)にて、「ドゥルーズ哲学と言語の問題―『千のプラトー』におけるイェルムスレウ言語学の意義と射程について」を口頭発表。この原稿に大幅な修正を加えた同名論文を『京都産業大学論集 人文科学系列』第46号に掲載。本研究はこれらの成果によって、ドゥルーズ哲学の思想的変遷を根底において駆動しているものが、人間(言語)と自然との関係を巡る問題構成と概念的配置であるということを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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