2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23820073
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Research Institution | Osaka University of Arts |
Principal Investigator |
出口 実紀 大阪芸術大学, 人文社会系研究科, 助手 (00612871)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 新撰楽道類聚大全 / 岡昌名 / 天王寺方 / 楽書 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、天王寺方楽人 岡昌名著『新撰楽道類聚大全』の所蔵調査、収集を行った。新たに確認できた所蔵本は、静嘉堂文庫、西尾市岩瀬文庫、穂久邇文庫、天理大学附属天理図書館の4点で、うち3点(静嘉堂文庫、西尾市岩瀬文庫、天理大学附属天理図書館)が全巻揃本であり、今回入手できたことは大きな成果であった。 所蔵調査と並行して、岡昌名の楽人としての活動を、京都大学附属図書館所蔵の『四天王寺舞楽之記』、『禁裏東武並寺社舞楽之記』を用いて、探った。これらの記録によれば、昌名が楽人として初めて参仕したのは数え年11歳の時で、正徳4年(1714)2月22日の聖霊会で童舞《迦陵頻》の舞童を務めている。その後も、昌名は大坂・四天王寺の行事での参仕を主としながら、三方楽所の一員として京都の御所や東寺などの寺社、江戸へも55回出張している。そして、宝暦6年(1756)76歳で楽人としての参仕を終える。 その活動内容を詳しく見ていくと、享保16年(1730)50歳で左方楽人の責任者を意味する「楽頭」を務め、宝暦4年(1754)74歳には天王寺方楽人全体の「楽頭」を務めている。このように、昌名は楽、舞ともに雅楽の知識や経験を生涯身につけ、「楽頭」の地位にまで就いた。一方で、『新撰楽道類聚大全』の各巻に記される官位や職名、名(昌隆または昌名)の記載をみていくと、『新撰楽道類聚大全』の多くは、30代後半に入って成立している事が判明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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