2012 Fiscal Year Annual Research Report
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23820075
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Research Institution | Kobe Shukugawa Gakuin University |
Principal Investigator |
伊多波 宗周 神戸夙川学院大学, 観光文化学部, 講師 (80608688)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 哲学 / フランス哲学 / 社会哲学 / 社会思想史 / 19世紀 / プルードン / アナーキズム / 社会主義 |
Research Abstract |
当該年度の成果は、間もなく発行される紀要に、論文「プルードンはどのような意味で社会主義者かーサン=シモン主義からの影響と二つのプルードン的理念ー」という形で発表した。前年度は二月革命期のプルードン思想を中心に研究したが、研究の最終年度にあたる当該年度は、前期・後期プルードンを包括的に捉える研究に従事した。今後、細部を含めた成果の全体は著書として発表されるが、そのアウトラインにあたるのが当該論文である。 この論文において明らかにしたのは、以下の事柄である。まず、サン=シモン主義を社会主義の定型として押さえるとして、その場合、どのような意味で前期プルードン思想(アナーキズム)と後期プルードン思想(フェデラリズム)がどのような意味で社会主義と呼びうるのかということ。社会主義を経済的諸機能を公的機能に結びつける思想と捉えるならば(デュルケーム)、アナーキズムもフェデラリズムも、発想が違えど、同じく「結合」の思想だと言える。次に、プルードンが、なぜ前期思想から後期思想へと移行したのかということ。前年度に引き続き、自発性/計画性概念について微細にわたり研究した結果、自由放任(自由主義)でも計画経済(社会主義の末路)でもない形の社会構想を目指した結果、フェデラリズムの発想に到達したのだと結論づけることができた。 上記論文は、研究実施計画で示した五つのテーマのうち、前年度に結論を得たものを除く、三つに関わり、成果に達したものである。(1)プルードン思想における基礎的諸概念群:上述の通り、自発性/計画性の概念について研究し、プルードン思想を単純な自発性称揚の思想と見なす俗流プルードン像を退けた。(2)前期/後期思想の分け方:上述の通り、必ずしも一般的ではなかった、前期/後期思想の分け方の正当性について結論を得た。(3)プルードン思想の相対化:特にサン=シモン主義との対比から論じた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)