2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23830012
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
今泉 飛鳥 埼玉大学, 経済学部, 講師 (60613461)
|
Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
|
Keywords | 日本経済史 / 産業発展 / 都市 / 産業集積 / ネットワーク |
Research Abstract |
本研究の目的は、都市における産業の集積状態が日本の産業発展に与えた影響とその変容を、都市における産業集積の多層性と経済主体のネットワークに着目して解明することである。平成24年度は主に海外において研究成果を発表する複数の機会を持った。 まず7月にWorld Economic History Congress(南アフリカ)において、関東大震災からの復興についてのパネル報告に参加した。ここでは東京所在産業の復興に着目して、東京市域内に複数の産業が集積し、かつその主体が主に中小零細工場であったことが、結果的に復興需要への地域内での対応を促し復興の足掛かりとなったことを考察した。この分析結果は、東京が震災後も経済・産業におけるプレゼンスを落とさなかった要因を、集積の多層性との関連のもとに示すものである。10月には同内容に加筆のうえ、日本語のワーキング・ペーパーとしてまとめた(「関東大震災後の東京における産業復興についての論点整理」埼玉大学経済学部ワーキング・ペーパーNo.1)。 8月末には、ヨーロッパ経営史学会・経営史学会共催国際会議(フランス)において特許権所有者の地理的分布に関する分析を発表した。この分析では、1900年前後の特許権所有者のリストからその立地の偏りや特許権の共有関係の広がりを観察し、大都市圏、特に東京が全国の特許権所有者のハブとして機能したことを明らかにした。これは上述の産業立地とネットワークの分析にあたるとともに、東京と大阪の産業構造や生産組織の違いを考察する比較分析の手がかりを提供するものである。 3月には再度フランスのEHESSにおいて、上記二つの分析を加筆・修正したものと、明治後期東京における機械工場の取引ネットワークについて研究成果を報告する機会を得た。その際、当地の経済史研究者から研究上重要なコメントを得た。これらを踏まえたリバイスを行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)