2011 Fiscal Year Annual Research Report
子ども虐待における援助を求めない養育者への協働的アウトリーチ・モデルの構築
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23830013
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高岡 昂太 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (00612657)
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Keywords | 子ども虐待 / アウトリーチ / 連携 / MDT / 臨床心理学 / ソーシャルワーク / 医療 / 司法 |
Research Abstract |
平成23年度、支援者に対する研究協力のリクルートを行った。その際に、子ども虐待に精通している方はもちろん、比較対象者として支援者として携わっているものの、まだ子ども虐待対応に不慣れな方への調査を必要とした。そのためサンプルの偏りが無く調査協力の依頼をなるべく多く得られるように、申請者自ら全国の支援機関の管轄局、及び支援機関に電話をし、説明の機会を頂けないかのアポを取り、研究内容の説明と方法、及び具体的に期待される成果をプレゼンして回った。その結果、以下の機関から協力を得た。得られたデータは全て逐語録に起こし、内容をグラウンデッドセオリーアプローチにより、随時分析・モデル化を行った。 ○医療機関:院内虐待対応委員会を持つ医療機関、また子ども虐待対応に関心のある医師、コメディカルスタッフにアプローチをし、5名へのインタビュー調査を行った。 ○福祉機関:児童相談所・市区町村の虐待対応機関の支援者の方にご協力を得て、4名にインタビュー調査を行った。 ○教育機関:小学校・中学校・高校や教育委員会にご協力を得て、12名のインタビュー調査を行った。 ○司法機関:警察・検察に対して、研究内容についてご協力頂けないか交渉に伺ったが、残念ながら本年度は実施できなかった。 ○支援を受けた当事者である養育者:倫理委員会の承認を得てインターネットのwebサイトによる研究リクルートを行った。また、医療機関、福祉・保健機関にチラシを置かせて頂くことにより、研究リクルートを広く募った。数名からの研究協力を得たが、ご都合や体調不良により、調査機関が延長され、翌年度にインタビュー調査実施が持ち越された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
既に寄縁法により調査協力を得られていた方だけでは偏るため、新規に研究に協力して頂ける方をリクルートする必要があった。そのため、新規に研究リクルートをさせて頂いた際の理由として、 1:医療-福祉-教育-司法機関に出向き、研究説明をさせていただき、その後ご検討頂くという時間が掛かってしまったこと。 2:調査協力頂く際は、全てご協力頂ける現場の方々のご都合に合わせることを研究協力の条件にしていたため、急な緊急事例などが入った場合には、インタビュー調査は延期になることも多かったこと。 3:養育者の方についても体調やご都合に合わせるため、長期延長になることも多かったこと。 以上の理由から、平成23年度の調査計画は、やむを得ず進捗に遅れが出ていた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究リクルートを行うこと。及び、インタビュー調査を地道に集め、随時グラウンデッドセオリーアプローチにより、モデル化を行う。目標研究リクルート数は医療機関:残り15名、福祉機関12名、司法機関:12名、養育者:10名である。 研究リクルートが、本研究でも最も大切な手順であるため、なるべく多くの研究協力が進められるようにする。 また、倫理委委員会で承認されている養育者にはSNSを使った研究協力の呼びかけや、市区町村の子育て支援施設や医療機関など養育者の方々が集まるところへの研究協力チラシを置かせてもらうなど、地道な交渉を展開していく。 さらに得られたデータを元に、随時グラウンデッドセオリーアプローチにより分析し、モデル化及び仮説生成したものを、今度は質問紙調査に落とし込み、量的に仮説を検証することを目指す。
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