2012 Fiscal Year Annual Research Report
「コンセンサス標準形成過程における戦略的マネジメント」に関する研究
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23830019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
糸久 正人 東京大学, 経済学研究科(研究院), 助教 (60609949)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | コンセンサス標準 / 互恵性 / 複雑性 / オープンイノベーション / 自動車産業 / エコシステム |
Research Abstract |
本研究の成果としては、第一に、複雑性が増大する自動車制御の分野において、日本の各系列はどのようなエコシステムを有しているのか、という点を共同特許情報から分析した。具体的には、系列内プレーヤーとの共同開発(クローズ)、系列外プレーヤーとの共同開発(オープン)を想定した場合、ホンダ系はホンダのみがオープンも行い一方、他の系列サプライヤーはホンダとのみクローズな共同研究を行うという「中央集権型」、日産系は日産と日立がオープン/クローズ両面に対応するという「双頭型」、トヨタ系はトヨタ、デンソー、豊田中研はオープン/クローズ両面を担当し、その他、オープン中心の企業、クローズ中心の企業が密につながった「ネットワーク型」の構造を有していることが分かった。そして、特に標準化対応というコンテクストにおいては、クローズ型ほど自社の独自システムに適合しているために、なかなか国際標準を受け入れにくいということがわかった。 第二に、コンセンサス標準を推進するOEM/サプライヤーに着目し、なぜ両者の間で標準成立に向けた互恵性が達成されるのか、という点を車載ソフトウェアの標準「AUTOSAR」の事例から分析を行った。通常、OEMとサプライヤーの間には標準をめぐる立場の違いが存在する、すなわち、前者はホワイトボックスとしての標準を志向し、後者はブラックボックスとしての標準を志向する。このような点で、AUTOSARはOEMに有利な標準であったが、サプライヤーのBoschはOEMとの二者間関係だけでなく、ツールも含めた補完市場、技術力に乏しい新興国企業の市場も視野に入れた多面市場のエコシステムを考慮することで、両者にとって互恵性がもたらせることがわかった。 このような結果は、標準化に関する理論的理解を深めると同時に、国際標準の領域で欧州の後塵を拝することの多い日本企業に対して、実務的含意を与えるものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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