2011 Fiscal Year Annual Research Report
集団成員の自己制御が集団内コンフリクトに与える影響
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23830026
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
宍戸 拓人 武蔵野大学, 政治経済学部, 講師 (70610781)
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Keywords | コンフリクト / 自己制御 / タスク・コンフリクト |
Research Abstract |
集団内に生じるコンフリクトに成員の自己制御が与える影響を実証的に解明するという本研究の目的に関して,本年度は既存研究のレビュー及び実験設計を行った.コンフリクトに関する既存研究を検討する中で,タスクの内容に関する意見対立(タスク・コンフリクト)に影響を与える要因が,十分に検討されてこなかったことが確かめられた.それゆえ,特にタスク・コンフリクトに対して成員の自己制御が持つ影響について焦点を置いて研究をすすめることが,重要な理論的貢献を持ちうると考えることができる.なお,コンフリクト研究のレビューは,「我が国におけるコンフリクト研究の課題 -近年のコンフリクト研究に対する文献研究より-」という題名で,ワーキングペーパーの形式にまとめられた.加えて,自己制御に関する既存研究を検討することで,自己制御がタスク・コンフリクトに影響を与えうる点を示唆する研究がなされてきた一方で,影響自体を実証的に扱った研究はほとんどなされてこなかったことも確認された.それゆえ,タスク・コンフリクトと自己制御の間を検討する研究は,自己制御研究に対しても重要な理論的貢献を与えると考えられる. 既存の自己制御研究の実験手法に依拠することで,本年度は心理学実験の設計を行った.実験を行うに当たっては,成員間でタスクの内容に関する意見の対立を生み出す必要があるため,被験者間に異なる情報を配布し意見対立を生み出す方法を考案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被験者間でタスクの内容に関する意見の対立を生み出すために,当初は価値観の違う被験者を集めた上で話し合いを行わせるという実験を設計していた.しかし,実際に意見の対立が生まれるかどうかを確認するために予備実験を行おうとしたところ,価値観の異なる被験者を十分な数集めることができなかった.それゆえ,当初予定していた予備実験を本年度中に終わらせることはできなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
被験者間でタスク・コンフリクトを生み出すために,hidden profile paradigmと呼ばれる研究において利用されている手法を参考にすることで,被験者間に異なる情報を配布する方法を考案した.その方法がタスク・コンフリクトを生み出すのであれば,それを利用することで本実験を行うことができる.来年度は,予備実験に加え,自己制御とタスク・コンフリクトとの間の関係自体を検討する本実験を行った上で,その実験結果をまとめたものを国際学会で発表する予定である.
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Research Products
(2 results)