2011 Fiscal Year Annual Research Report
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23830037
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
南 誠 長崎大学, 大学院・水産・環境科学総合研究科, 助教 (70614121)
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Keywords | 中国帰国者 / 境界文化 / エスニック / マイノリティ / 地域社会 / 多文化共生 / アイデンティティ / 言語使用 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地域社会における中国帰国者の境界文化の実証的研究と、その比較研究を行うことにある。そのため、日本社会で生活する中国帰国者をめぐる地域社会での包摂と排除をエスニック関係という視点から解明することや、地域社会における中国帰国者の境界文化の実態把握を目標に調査活動を行う。 本年度は研究計画の初年度にあたり、交付申請時の計画とおりに、日本各地の中国帰国者コミュニティに関する予備調査を中心に調査活動を行ってきた。具体的には、各地域のキーパーソンとなる人に聞取り調査を行ったほか、その進捗状況を踏まえたうえで、J地域に焦点を定め、同地域の中国帰国者団体の協力を得て、中国帰国者当事者に対してアンケート調査を実施した。 現在、以上の調査で得られたデータを集計・分析しつつ、日本への永住・定住を選択した理由、来日後の変化、中国帰国者への帰属意識、地域社会での適応状況、家庭内と家庭外での言語使用、社会ネットワークの変化、家族関係の変容、中国との関係やアイデンティティの志向などについて考察作業を試みている。また本年度中に、これらの調査成果を参照しつつ、研究報告を計7回行ったほか、論文を1本公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
達成度が遅れている理由は以下の通りである。 第一に、2011年10月より京都大学より長崎大学に所属先が変わったため、研究開始時期が遅れたこと 第二に、京都を拠点に研究調査スケジュールを計画していたが、長崎に移って来たため、調査地への距離が遠くなったこと
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Strategy for Future Research Activity |
上述したような理由で、現在研究調査が遅れている。当初の研究計画とおりに研究が進まなかったときの対応として、次年度は、調査予定地域と調査目標人数を縮小し、特定の地域に焦点を絞って、研究調査をおこなう予定である。また質問紙を用いた半構造化されたインタビュー調査との併用で対処していく予定である。
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