2011 Fiscal Year Annual Research Report
ゲーム理論の枠組みを用いた複数財の入札制度の分析と設計
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23830039
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐野 隆司 大阪大学, 社会経済研究所, 講師 (50611208)
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Keywords | 経済理論 / オークション |
Research Abstract |
本研究は、複数種類・複数単位の財を配分する入札制度について、ゲーム理論の枠組みを用いて入札者の戦略的行動及び均衡の性質を解明するとともに、新しい入札制度の設計可能性を探るものである。複数の分割不可能な財を、入札を用いて多数の買い手に配分する問題を考える。このとき、買い手が個別の財だけでなく、任意の財の組み合わせ(パッケージ)を指定して入札できるルールを特に「組み合わせオークション」あるいは「パッケージオークション」と呼ぶ。本年度の研究では、様々な組み合わせオークションのルールの下での買い手の戦略的入札行動を分析し、均衡の性質について明らかにした。本年度の主たる成果は以下のとおりである。 1.近年英国をはじめ欧州諸国の周波数オークションで導入されつつある「組み合わせ時計入札」とよばれる組み合わせオークションの均衡を特徴づけ、論文"Nor-bidding equilibrium in an ascending core-selecting auction"を執筆した。本研究では、従来実践的で望ましいとされ、実際に周波数割り当てに導入されつつある入札ルールが、理論的に重大な欠点があることを初めて指摘したものであり、国際的に評価の高い学術雑誌であるGames and Economic Behaviorに掲載された。 2.封印入札型の組み合わせオークション一般に共通の均衡が存在することを証明した論文"Vickrey-reserve auctions and an equilibrium equivalence"を執筆した。本論文は現在国際的な学術雑誌に投稿中である。 3.国内外の学会・研究会に参加し、当該分野の研究者と活発な意見交換がなされた。その中で、上記の成果1に関連して、適切な「最低入札価格」の設定によって配分効率性を改善できる可能性について、論文執筆段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主要な研究課題の一つである価格せり上げ方式の組み合わせオークションについて理論的に分析した論文2本を執筆し、うち1本は既に国際雑誌に掲載された。またもう1本も現在学術雑誌に投稿する段階に入っている。
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Strategy for Future Research Activity |
「最低入札価格」を取り入れた組み合わせオークションの理論分析を中心に進める。本研究は理論分析が主であるが、今後コンピュータシミュレーションの結果を加えることを予定している。本研究結果を論文にまとめ、国内外の学会・研究会等で報告しながら結果を洗練させていく予定である。 また、現在学術雑誌に投稿段階にある価格せり上げ方式の組み合わせオークションの分析に関して、国内外の学会報告等を通じて、結果をさらに洗練させる予定である。
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Research Products
(4 results)