2012 Fiscal Year Annual Research Report
医薬品企業の価値向上に寄与する戦略的CSRの実証研究
Project/Area Number |
23830041
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瓜生原 葉子 京都大学, 薬学研究科(研究院), 研究員 (70611507)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | CSR(企業の社会的責任) / 医療用医薬品 / 製品選定 / 医師の処方行動 / 医薬品企業 |
Research Abstract |
医療用医薬品は,消費者(患者)ではなく,第三者(医師)が専門知識を生かして消費者の代わりに購入する製品を決定する唯一の構造を有する。当状況の中,医薬品企業のCSR(企業の社会的責任)活動が,①その企業が販売する医療用医薬品の売上増加につながるのか,②どのようなCSR活動が医薬品企業の価値を向上するのかを解明することが本研究の目的である。 本年度は,まず,昨年度に得たデータ(乳腺専門医244名)の統計解析を行った。その結果,有用性と価格が同様の場合,CSR活動による製品選択意向が高まったことより, CSR活動が売上向上に寄与する可能性が示唆された。また,価値あるサービスの提供(疾患領域の情報提供,発展途上国への自社医薬品の提供,学術分野への貢献)が医薬品企業の価値を向上させることが示された。これらの結果は,日本経営学会で発表した。 次に,一般医師を対象とした同様のアンケート調査を実施した。統計解析により,乳腺専門医と同様な結果を得た。本結果は国際医療経済学会のDiscussion Sessionで採択され,本年7月に発表予定である。 さらに,医薬品企業の社員,医療専門職を対象としたdiscussion meetingを開催し,結果の妥当性と解釈についての意見を収集した。Unmet medical needsを満たす医薬品の開発を行うのが企業の最も重要な社会貢献であるが,その開発には長期間を要するため,短期間,かつ可視化された活動で,専門領域の患者を支援する活動を,医師は評価しているのだと解釈できたという意見,企業は顧客(医師,患者)が本当に望む活動に集中すべきだなどの意見を得た。 これらを総合した論文を執筆中であり,学術誌への投稿を行う予定である。また,医薬品企業向けの雑誌,啓発的ビジネス書等の媒体での公表も行い,社会還元を行う。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)