2011 Fiscal Year Annual Research Report
開発途中での製品コンセプト変更の効果的なマネジメントに関する理論と方法の構築
Project/Area Number |
23830053
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
宮尾 学 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教 (80611475)
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Keywords | 製品コンセプト変更 / 新製品開発 / 事例研究 / 家電 / デバイス / オフィス家具 |
Research Abstract |
本研究では,開発途中における製品コンセプト変更を効果的に行うための理論と方法を構築することを目的とし,(1)事例の蓄積,および(2)事例横断的な検討による理論の構築,の2つを課題として研究を進めてきた。平成23年度は,主として事例の蓄積を行い,複数の製品開発事例について文献調査,およびインタビュー調査を行った。 調査を行った事例とそれぞれの進捗状況は以下のとおりである。(1)ソニー株式会社による「FeliCa」の開発:文献調査,およびインタビュー調査を行い,ディスカッションペーパーを執筆した。(2)三菱電機株式会社による「本炭釜」「蒸気レスIH」の開発:文献調査,およびインタビュー調査を行った。日本MOT学会2011年度年次研究発表会(2012年3月17日)において事例研究の結果を報告した。(3)株式会社イトーキによる「Cassico」の開発:文献調査,およびインタビュー調査を行った。(4)象印マホービン株式会社による「極め羽釜」の開発。:文献調査,およびインタビュー調査を行った。 本研究においては,複数の事例を横断的に分析することが肝要である。平成23年度の事例蓄積ではデバイス,家電,オフィス家具の3つの業界について5つの製品開発事例を収集した。多様な業界の複数の事例を収集したことで次年度以降の事例横断的な分析を効果的に進めることができると考えられる。また,事例を収集する過程で,コンセプト変更が行われなかった事例についても研究を行い,比較することでより効果的な理論構築が可能になることを見出した。 また,2011年6月23日に名古屋市で開催されたThe Association of Japanese Business Studies Annual Meetingで開催されるPaper Development Workshopに本研究の研究計画を提出し,本研究の研究方法についてのアドバイスを受けた。そこでは,事例を浅く広く集めるよりも,少数の事例を深く研究する方が好ましいとの指摘を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は複数の事例を蓄積することを目標としており,実績としては3つの産業における5つの事例を収集できた。事例の数は想定よりやや少ないが,学会等でのアドバイスにもとづき一つひとつの事例で深い研究を行うよう方針を転換したのが原因であり,大きな問題はないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き事例の蓄積を行うとともに,事例横断的な分析を行う。問題点としては当初の想定以上にコンセプト変更が行われた事例が少ないことがあげられる。しかしながら「少数の事例でも詳細な検討を行うこと」「コンセプト変更がなかった事例との比較を行うこと」により,示唆に富んだ理論を構築できる可能性が高いと考えている。
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Research Products
(1 results)