2012 Fiscal Year Annual Research Report
不公正な審査団に対する持ち回り決裁による審査の有効性
Project/Area Number |
23830087
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
安達 剛 早稲田大学, 政治経済学術院, 助手 (00535122)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 順位決め / 逐次投票 / メカニズムデザイン |
Research Abstract |
体操競技や物品の品評会のように専門家にしか正確な順位が分からない事柄で、専門家たちがそれぞれ一部の選手(出品者)達をひいきしている可能性がある場合、どのようにして専門家集団(=審査員団)を構成すれば正確な順位を導くことが出来るのか、またその際、審査員団内部でどのような意思決定の方法(=メカニズム)を採用するべきなのか、という問題について検討することが本研究の目的である。 本研究では、メカニズムデザイン論のアプローチを用いてこの問題を検討した。つまり、ゲーム理論を用いて合理的な審査員が採る戦略的行動を分析し、各審査員がそのような行動を採った際に審査員団の全体としての結論が正確な順位と一致するメカニズムを探索した。 研究の成果として、複数の環境において、秘密投票ではなく稟議制のように個々の審査員から逐次的に意見を訊き、その情報を他の審査員に公開していくタイプのメカニズムが正確な順位を得る最良の方法となることが明らかになった。具体的には、1.各審査員について“確実にひいきしない選手”が明らかとなっている場合、それらの審査員に“ひいきしない選手”の順位決めに対する拒否権を与え、その上で逐次的に意見を表明してもらうメカニズムが、また2.審査員と選手の利害関係が完全に不明確である場合、全ての審査員に平等の票を割り当て、その上で一人ずつ公開投票で投票を行ってもらうメカニズムが、それぞれ正確な順位を導くために最良のメカニズムとなることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)