2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23830105
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大木 清弘 関西大学, 商学部, 助教 (20611073)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 海外子会社 / 能力構築 / 多国籍企業 / 競争と協調 / 依存と自律 / 海外工場 / 海外派遣者 |
Research Abstract |
本年度の目標は、インタビューや質問票調査を通じ、強い海外子会社の構築に必要な拠点間関係(依存と自律・競争と協調)を明らかにすることだった。 まず、海外子会社の強さに関する文献サーベイ論文を公刊した。このサーベイは質問票作成に活用された。 「依存と自律」については、文献サーベイ、公刊データ分析、インタビューから「海外派遣者を代理変数にすると、日本企業では1980年代から一定して本国への依存が残っていること」「海外派遣者数の増減を長期間繰り返して能力構築している海外子会社が多いこと」「海外子会社に自律性を持たすために、現在の日本企業は支援(依存)を強めていること」が判明した。これは「依存と自律のバランスを長期でとることが能力構築に貢献する」という当初の仮説と整合的である。しかし一方で、「自律性の高い海外子会社は本国からの関与を早くから受けていない傾向にある」ことが公刊データ分析やインタビューから判明し、本国からの自律への支援が逆に自律を妨げる可能性が浮上した。 「競争と協調」については、ミネベアやIBMへのインタビューから、競争と協調の活用が海外子会社の能力構築を促すことが判明した。これも当初の仮説を裏付ける事実である。 以上の「依存と自律」「競争と協調」関係が海外子会社の強さに与える影響を実証するために、日系タイ工場211社に質問票を郵送した。ただし質問票の精査を慎重に行ったため、企業からの返答を元に結果を分析中である。 以上、「依存と自律」「競争と協調」のバランスが海外子会社の能力構築に貢献することを、事例ベースで検証できた。さらに、「自律性を高めるための支援が自律性を落とす」という新たな可能性も発見できた。これらは本研究の大きな貢献である。成果としては、査読付き論文1本、ディスカッションペーパー1本、学会発表1回、2013年6月発売予定の本の1章が1本である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)