2011 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期における当事者のニーズに即した移行支援の展開に関する研究
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23830114
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Research Institution | Kurashiki Sakuyo University |
Principal Investigator |
真鍋 健 くらしき作陽大学, 子ども教育学部, 助教 (10611197)
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Keywords | 当事者 / 移行支援 / 幼児期 |
Research Abstract |
本研究の日的は、当事者ニーズを移行文援に反映させるための方法を検討することである。当事者のニーズを重要視するという観点は、既に多くのものに認知され始めている。しかし実際にはその実態や具体的な方法論に関する議論は少ない。そこで本研究では、以下の課題に取り組んだ。 (1)移行支援に関する現状把握に関する調査の実施:小学校の教員ならびに保育士に対して、移行支援を進める中で当:事者性を組み入れることに関するインタビュー調査を実施した。調査内では当事者性の考慮の有無とその促進方法を主に聞くこととした。現在データの分析中である。 (2)アメリカ合衆国を中心とした移行支援・当事者支援の先行研究等の検討:当事者のニーズを考慮にいれた方法論がいくつか指摘されている米国の先行研究・文献の検討を行い、支援のポイントを抽出した。その結果、移行支援活動の開発、移行支援を促すシステム作り、システムを促すコーディネータの存在など多面的要素が、移行支援に相互に影響を与えている可能性が指摘された。また米国で家庭・保育支援の方法論として期待されているActivity-Based Interventionの開発者であるDiane Bricker氏に対して、早期介入ならびに家族支援におけるコーディネータの役割について調査を行った。 (3)実際の移行支援の展開:保育所から小学校への垂直的移行を経験するダウン症児ならびにその保護者に関して、保育所・小学校との連携のもと支援を行った。特に、子どもの新しい環境への適応ならびに保護者の心理的負担の軽減を促すために、移行支援実態アセスメントと個別の移行支援計画の作成・展開を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画ではインタビュー調査にあたっては、集団に対するグループインタビューを行う予定であったが、十分な人数が確保できなかったことから、個人に対するインタビューにとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
実態把握に関する調査が十分に実施できていないことから、実践のみを行う予定であった次年度でも追加の調査を行う予定である。またこれまでの研究結果から移行支援を支えるコーディネータの存在・役割が、移行支援ならびに当事者性の保障に非常に重要であることが明らかになった。そこで、次年度以降の調査・実践ではコーディネータの機能化ということも配慮に入れながら検討を行いたい。
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