2012 Fiscal Year Annual Research Report
フランスにおける多機関連携を基盤とするキャリア教育モデルの比較研究
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23830120
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Research Institution | Koriyama Women's Junior College |
Principal Investigator |
京免 徹雄 郡山女子大学短期大学部, その他部局等, 講師 (30611925)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 教育学 / キャリア教育 / 比較教育学 / フランス |
Research Abstract |
本研究の目的は、フランスの進路指導における多機関連携ネットワークの全体像を描き出し、教育学的観点から進路を公的に保障する仕組みを解明することである。 前年度にパリおよびオルレアンで行った実地調査で入手した資料やインタビューの分析を行い、目的の達成を試みた。その結果、「生涯進路指導と生涯職業訓練に関する2009年11月24日の法律」によって、その機関の社会的ステータス(横軸)、その機関のもつ社会的機能(縦軸)、という2つの軸に従ってサービスの範囲・対象者・内容の異なる諸機関の関係が整理され、全国ネットワークが形成されていることが明らかになった。各機関の専門性が強いのが特徴であるが、最初の相談窓口はどこでもよく、そこを入り口として利用者のニーズに応じた専門機関に割り振ることになっている。 さらに、この制度を実質的に機能させているのが、新たに考案された質保証の仕組みである。「2011年5月4日の省令」によって、「国家認証評価に関する義務目録」という認証評価基準が定められた。そこでは、諸機関が連携協約を締結し、地理空間と地域特性を考慮したネットワークを結成することが定められた。また、連携に対する責任を明確にするためにコーディネーション責任者を設置し、責任者が中心となってサービスの自己評価や認証評価の申請を行うことになっている。 以上のように、本研究によって①ネットワーク化による多機関連携、および②認証評価による質保証の仕組みが明らかになった。両者は、生涯進路指導の両輪として密接に結びついている。 我が国にも少数ながら進路支援の専門機関が存在するが、サービス内容は就職支援に偏っており、多様性に欠ける。さらに各機関の関係や役割分担が不明確であり、機関同士の連携は不充分である。このような状況にあって、フランスのシステムは多機関連携を基盤とするキャリア教育モデルに一定の示唆を与える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)