2011 Fiscal Year Annual Research Report
家庭から幼稚園への移行に伴う母子分離に埋め込まれた価値観
Project/Area Number |
23830121
|
Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare Junior College |
Principal Investigator |
今井 麻美 高崎健康福祉大学短期大学部, 児童福祉学科, 助教 (70611888)
|
Keywords | 移行 / 幼稚園入園 / 母子分離 / 家庭教育 / 言説 |
Research Abstract |
本研究の目的は、子どもの家庭から幼稚園への移行に伴う母子分離に焦点を当て、この時期の母子分離という実践は、どのような考え方や価値観によって支えられているのかを明らかにすることである。幼稚園の移行に伴う母子分離に対する考え方や価値観を相対化することは、保育実践の在り方の再検討にとどまらず、現代の日本に存在する家庭教育を重視し、子どもの「問題」は家庭教育の帰結であると捉える考え方を問い直す一石となるではないかと考えたためである。 平成23年度の主な計画は、就園前の親に向けた言説分析であった。まず、分析対象となる書籍、育児雑誌や、行政資料の収集を行った。収集された文献の中から、就園前に準備しておくべきこと、就園前までにできていた方が良いこと、就園へ向けた心構えなどに関する記述、母子分離に関する記述などを抽出し、記述の内容を整理した。実際には、このような記述内容が少なく、文献の対象を広げる必要性が明らかとなった。このような結果から、母親の入園に際する母子分離に対する価値観は書籍や育児雑誌を通して構築されるというよりは、入園に際する母子分離に限らない、家庭教育を重視する傾向の一端として捉えうる可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
計画された内容が、2年間では遂行可能ではなかったため。研究フィールドが、これまで研究を行ってきた場所から移動したため、研究協力者の確保の段階で予想以上の時間がかかってしまっているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では、母親と保育現場における母子分離に対する価値観がどのように構築されるのか検討する予定であった。しかし、計画内容を減じて、母親の母子分離に対する価値観がどのように構築されるのか、という問いに焦点化し、研究を進めることとする。
|