2012 Fiscal Year Annual Research Report
家庭から幼稚園への移行に伴う母子分離に埋め込まれた価値観
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23830121
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
今井 麻美 高崎健康福祉大学短期大学部, 児童福祉学科, 助教 (70611888)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 移行 / 母子分離 / 家庭教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、子どもの家庭から幼稚園への移行に伴う母子分離に焦点を当て、この時期の母子分離という実践は、どのような考え方や価値観によって支えられているのかを明らかにすることである。幼稚園の移行に伴う母子分離に対する考え方や価値観を相対化することは、保育実践の在り方の再検討にとどまらず、現代の日本に存在する家庭教育を重視し、子どもの「問題」は家庭教育の帰結であると捉える考え方を問い直す一石となるではないかと考えたためである。 平成24年度においては、主に、「移行」に関する文献のレビューを行った。日本に比べて、海外では移行に関する研究が数多くされているため、海外と日本における移行の捉え方の違いや、移行へ着目する背景の違いなどについて考察した。その結果、幼保小連携や小中連携など学校種間の移行がなめらかなものとなるよう、どのように連携することができるのか、というテーマが、日本における移行への関心の背景だと考えられた。反して、海外においては、子どもが発達する機会として移行を捉え、長期的な人間発達や乳幼児のケアへの関心の高まりを背景に、子どもの移行経験へ注目が注がれていると考えられた。 また、海外の先行研究レビューを通して、子どもの移行に伴う母子分離に対して母親が持つ思いは、複雑であり、母子分離を巡る語りの中では常に「良い母親とは」というテーマが見え隠れしていることが見出された。従って、移行に伴う母子分離という実践に焦点を当てることを通して、母親が素朴に持っている家庭教育、母親を巡る概念を相対化させる試みは、重要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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