2011 Fiscal Year Annual Research Report
バイオロジカルモーション知覚処理における階層性の検討―ウィリアムズ症候群を対象に
Project/Area Number |
23830127
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
平井 真洋 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 機能発達学部, 研究員 (60422375)
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Keywords | バイオロジカルモーション / 社会知覚 / 発達 / 発達障害 / ウィリアムズ症候群 / 心理物理 / 他者行為 / 運動視 |
Research Abstract |
わずか十数個の光点運動のみから他者の身体運動を知覚可能な現象は「バイオロジカルモーション(BM)」として知られており,BM知覚時には視線や表情を処理する部位と近いことが報告されていることからBMは社会的な刺激の一つであると考えられている.近年,自閉症児におけるBM検出の不得手さが数多く報告されており,社会知覚処理の特異性を炙り出す一つのツールとしての有用性が認識されつつある.一方,遺伝性疾患であり,social phenotype(社会的表現型)に特徴を持つウィリアムズ症候群患児(者)における他者知覚,特にBM知覚処理に関する研究はこれまで数例に留まり,BM知覚処理様式を体系的に検討した研究は殆ど存在しない.本研究では,BM知覚処理に特化したテストバッテリを用い,その様々な知覚処理特性を検討した.具体的には,QUEST法を用いた4つのBMテストバッテリ(1)方向弁別課題(2)検出課題(3)性別弁別課題(4)coherence課題を行い, 22名のウィリアムズ症候群患児(者)ならびに延べ58名の定型発達児ならびに健常成人のご協力のもと閾値の測定をした.結果,ウィリアムズ症候群患児(者)において,性別(男性)弁別課題以外の閾値に関して,統制群よりも有意に閾値が高かった.また,発達的な変化について調べたところ,ウィリアムズ症候群患児(者)群では検出課題ならびに方向弁別課題で発達による閾値の改善が見られたものの,統制群ではみられなかった.これらの結果は他者知覚においても処理特性のギャップがある可能性を示唆する.
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Current Status of Research Progress |
Reason
23年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)