2012 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド量子井戸のスピンg因子の特異性に関する研究
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23840004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
文 泌景 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00610619)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | quantum ring / グラフェン / 電子輸送 / 光学特性 / 量子ホール効果 / 超格子構造 |
Research Abstract |
I. 量子構造の物性をフレキシブルに調整する研究を行った。量子構造を構成する物質たちに異なる符号の異方応力を持たせることで、二つ以上のバンドに対し異なるポテンシャル分布を持たせることができた。これによってそれぞれの電子状態は異なる空間分布とバンド構成を持つ。電荷の空間分布の変化は電荷が拘束される物質を変え、バンド構成の変化は電荷の有効質量や角運動量に影響を与える。それによって光学特性や磁気的特性を大幅に調整できることを示した。 II. 二層のグラフェンを回転欠陥があるよう積層したtwisted bilayer grapheneの磁場中エネルギースペクトルを計算する手法を開発し、結果を分析した。この構造では二つの層の格子ベクトルの干渉によりモアレ縞のような長周期ポテンシャルが現れる。本研究により、このモアレ超格子では周期ポテンシャルによるブラッグ散乱と磁場によるランダウ量子化が競合し、小さな磁場の変化でもバンド構造が大幅に変わるフラクタルバンド構造が現れることを示すことができた。この領域ではエネルギーを上げるにつれ量子化されたホール伝道度が正と負の値を目まぐるしく変わることを見せた。 III. Twisted bilayer grapheneの応用のため、その光学特性を理論的に調べた。Twisted bilayer grapheneのバンド構造は二枚のグラフェンの間の回転角に大きく依存する。本研究では様々な回転角についてバンド構造と光吸収スペクトルを計算し、吸収ピークの変化の傾向性と特異的な選択則の原因を分析した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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